2006年07月03日

五島良子「Decade To Date」

五島良子「Decade To Date」今回紹介するのは、五島良子の2000年発表のアルバム「Decade To Date」。
あまりメジャーではないシンガーのような気もするけど、以前はネスカフェのCMソング「Open Up」を唄っていたり、最近ではChemistryや中島美嘉に曲を提供しているらしいので、何となく名前を目にしたことがある人は多いような気がする。

そんな五島良子ですが、デビュー当初は、爽やかなポップスを唄っていたのだけれど、96年発表の「PIERCED」から、ソウルフルなシンガーへと変貌。
そんなソウル期のアルバムは、どれも素晴らしい作品なのだけれど、なかでも一番好きなアルバムを紹介します。

ジャパニーズ・フリーソウルの傑作03「Full Sail」が収録されているというのが、このアルバムを選んだ理由の一つ。
マーヴィン・ゲイあたりが好きな人にも、十分に受け入れられるであろうメロウなナンバー。
やはりメロディーがいいというのが一番だけれど、ソウルフルな雰囲気を作り上げているバッキングも素晴らしい。
グルーヴィーなパーカッションに、アコースティックギターのカッティング、音の隙き間を埋めるフェンダーローズの音色に、効果的に挟み込まれるフルートの音色、どれをとっても完璧と言ってしまいたい1曲。
コーラスに、平井堅と玲葉奈が参加しているのもある意味で聞き所の一つかも。

そして、03「Full Sail」に負けじと劣らない、フリーソウル・ナンバー05「Name」。
こちらは、ミニー・リパートンあたりを彷彿とさせるナンバーで、センチメンタル・シティ・ロマンスの告井延隆(G)、中野督夫(G)、細井豊(Key)が参加している1曲。
グルーヴィーなギターはもちろん、曲の雰囲気を作り上げているフェンダー・ローズの音色がたまらない。

それから、傑作のバラードと断言してしまっていい、アルバムラストを飾る10「エガオ」。
塩谷哲のフェンダーローズだけをバックに歌い上げている1曲なのだが、シンガーとしての五島良子の魅力を堪能できるし、曲自体もメロディアスで美しい。
ラストに公園で遊ぶ子供たちのざわめきが収録されているけれど、そのざわめきが、この曲に、様々な意味を与えているように感じる。
アルバムのラストを飾る1曲として、本当にふさわしい1曲だと思った。

その他の曲も、一切の捨て曲なしのアルバム。
オープニングは、メランコリックなブルースハープの音色とギターのインストルメンタル01「エガオ-10」。バックに流れる街角のざわめきと共に、なぜかノスタルジーを感じてしまうインスト・ナンバー。
一転して、ソウルフルなギターのフレーズで始まるロックナンバー02「Love Drive」。当時Scudelia Electroだった石田小吉がギターで参加。
04「豹柄とPink」は、打ち込みのリズムをベースにしたミディアム・テンポのソウル・ナンバー。アン・ルイスへの提供曲のセルフ・カバーらしい。
弦楽四重奏をバックに唄う06「RONNIE」は、ボーカリストとしての五島良子の魅力を十分に味わえる1曲。
08「あしたの降るとき」は、アコースティック・ギターをバックの中心にそえたソウルナンバー。アレンジを担当した森田浩司がコーラスで参加。
シャッフル・ビートの08「Lucky」は、明るく楽しげなポップソング。このアルバムの中では、唯一初期のゴシちゃんっぽいナンバーと言えるかな。
石野卓球プロデュースによる09「ツキノハナ」は、アンビエントなテクノナンバーであるけれど、このアルバムの流れに自然にハマっている。

レビューを書くにあたって、改めてこのアルバムを聞いたけど、これはホントに名盤中の名盤。
03「Full Sail」05「Name」10「エガオ」の3曲だけでも、本当に聞く価値のあるアルバムだと思う。
Amazonなんかでは、まだ買えるようなので、色々な人に、是非とも聞いて頂きたい1枚。


【収録曲】
01. エガオ-10
02. Love Drive
03. Full Sail
04. 豹柄とPink
05. Name
06. RONNIE
07. あしたの降るとき
08. Lucky!
09. ツキノハナ
10. エガオ
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2006年07月02日

森高千里「今年の夏はモア・ベター」

森高千里「今年の夏はモア・ベター」アイドルのサマー・アルバムを続けて紹介したので、今日はそんなアルバムの中で変わり種の1枚、森高千里の「今年の夏はモア・ベター」をご紹介。

細野晴臣プロデュースによる異色のアルバムで、98年発表の作品。
このアルバム、森高千里のアルバム、と言うよりも、細野晴臣のソロアルバムに、森高がゲストボーカルとして参加した、と言うような趣きで、いわゆるトロピカル3部作を、90年代型ポップスとして甦らせた雰囲気を感じる1枚。
当時、CMで共演したのをきっかけにして、森高サイドのスタッフがプロデュースを依頼した所、細野さんが快諾して、このような企画が実現したと言う。

やはり、細野関連のカバーが、2曲収録されているのが、一つの聞き所。
01「東京ラッシュ」は、元々は「はらいそ」に収録の細野ナンバー。
オリジナルよりもアップテンポにアレンジされて、軽快な印象を残す好カバー。
細野さん本人もボーカルとして参加して、森高とデュエットしてます。
05「風来坊」は、はっぴいえんどのカバー。
オリジナルのフォーキーなノリは姿を消して、ほんのりトロピカルに味つけされた、軽快なリズムのポップナンバーへ変貌。こちらのカバーも、自分は好きです。

そう言った細野カバーだけでなく、他の曲も良い曲が揃っています。
02「夏の海」は、アルバム「Rock Alive」収録曲の再録バージョン。
オリジナルからかなりアレンジを変更して、60年代のサーフィンサウンドを下敷きにしたようなバージョンに仕上げているのは、さすがは細野晴臣と感じる。
03「Hey! 犬」は、オリエンタルでポップなアレンジに、森高らしい風変わりな歌詞がのるナンバー。
コシミハルの作曲の04「ア・ビアント」は、細野+コシミハルのユニット、スウィング・スローに通じるような雰囲気の1曲。
そして、個人的にはこのアルバムで一番好きな07「カリプソの娘」。
森高自らが叩くスティール・パンの音色が心地良い、ゆったりしたリズムの曲。
08「ミラクルライト」は、ブギウギのリズムがイイ感じのポップナンバー。
05「ビーチ・パーティー」09「ミラクルウーマン」といったインストも、細野晴臣独特のオリエンタルでトロピカルなイメージを、上手くポップスに昇華させた感じがする曲で、聞き所の一つ。

それまでの森高のアルバムの流れから逸脱したアルバムではあるけれど、細野ファンからしてみれば、90年代の「はらいそ」的な聞き方も出来る1枚(「はらいそ」の最後でも、「この次はモア・ベターよ」と細野さんも言っていることですし……)。
いわゆる「トロピカル3部作」よりも、ポップで取っ付きやすいアルバムなので、個人的には、暑い日が続くと自然と聞きたくなるアルバムだったりします。


【収録曲】
01. 東京ラッシュ
02. 夏の海
03. Hey! 犬
04. ア・ビアント
05. 風来坊
06. ビーチ・パーティ
07. カリプソの娘
08. ミラクルライト (Twist Version)
09. ミラクルウーマン (Vinyl Version)
posted by あれ at 01:57| Comment(1) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

松田聖子「The 9th Wave」

松田聖子「The 9th Wave」先日の菊池桃子「Ocean Side」に続いて、アイドルポップのサマーアルバムを紹介したいな、と思い、松田聖子の85年発表の「The 9th Wave」をセレクト。
ジャケットは、ちょっと安易な雰囲気ですが(どう見ても合成だし)、内容的には、なかなかの佳曲ぞろいのアルバム。

この作品以前にも、様々なミュージシャンの作品を唄っていた松田聖子だけれども、このアルバムでも執筆陣は豪華。
名前を挙げると、原田真二、吉田美奈子、尾崎亜美、矢野顕子、杉真理、大貫妙子、甲斐よしひろと言った人たち。
そう言った作家陣の音をまとめるのは、全ての曲のアレンジを手がけた大村雅朗。

オープニングを飾る01「Vacancy」は、原田真二作曲のトロピカルな印象の曲。
カリプソ風のリズムを取り入れたアレンジは、このサマーアルバムのオープニングを飾るのにふさわしい1曲。
松田聖子が、シングルっぽい王道を外れた所で、こういうトロピカルな曲をやっていたと言うのは、意外と言えば意外だった。
自分的には、このアルバムのベストトラックと言える。

02「夏のジュエリー」は、松田聖子の王道を行くようなポップチューン。
作詞:吉田美奈子、作曲:大村雅朗と言う組み合わせの曲で、松武秀樹の打ち込みサウンドに、松原正樹のギターが心地いい。
シングルにもなった03「ボーイの季節」は、詞と曲が尾崎亜美による1曲。
ミディアム・テンポのメロディアスな曲で、コーラスに尾崎亜美自身が参加している。
杉真理作曲の07「さざなみウェディングロード」は、杉のソロ作にも通じるポップナンバー。
「ナイアガラ・トライアングル vol.2」に収録された、「夢見る渚」などの雰囲気に近い曲と言えるかな。
そして、松田聖子の代表曲の一つと言える08「天使のウィンク」。
03「ボーイの季節」と同じく、尾崎亜美による作詞、作曲のシングル曲だけれど、03「ボーイの季節」が「静」なら、こちらは「動」と言うような雰囲気のポップナンバー。
こういう形の松田聖子のシングルの王道のナンバーは、何も言うこと無い。
09「ティーン・エイジ」は、作詞:吉田美奈子、作曲:大貫妙子という、面白い顔合わせの曲。
80年代中期の大貫さんらしいメロディーで、その頃の音が好きな人は、気に入るかもしれない。
そして、アルバムのラストを飾る10「夏の幻影」。
尾崎亜美の作詞・作曲によるバラードで、夏の終わりに恋の終わりを重ねている歌詞も、なかなか素晴らしい。
木戸泰弘と尾崎亜美によるコーラスも、そんな曲の雰囲気を作り上げるのに、一役買っているように思う。

松田聖子と言うと、初期の頃から「青い珊瑚礁」や「白いパラソル」と言うように、「夏」のイメージの曲を数多くリリースしてきた印象があるけれど、このアルバムもそう言う流れの集大成と言えるのかな、と漠然と感じている。
このアルバム以降、端的に「夏」を表すような曲のリリースは減ってしまうし、結婚したことで、シンガーとして「夏」=「恋」と言った単純な夏の風景が描きづらくなったと言うことも関係しているかもしれない。

それにしても、このアルバムがリリースされてから、20年以上の月日が流れていると言うのに、今聞いてもあまり古びた感じがしないのは、素晴らしいな、と感じた1枚。


【収録曲】
01. Vacancy
02. 夏のジュエリー
03. ボーイの季節
04. 両手のなかの海
05. す・ず・し・い・あ・な・た
06. 星空のストーリー
07. さざなみウェディングロード
08. 天使のウィンク
09. ティーン・エイジ
10. 夏の幻影
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2006年06月30日

菊池桃子「Ocean Side」

菊池桃子「Ocean Side」この所、30℃近い暑い日が続きますね。
日々、真夏へ近づいているということでしょうが、そんな季節にピッタリの夏っぽいアルバムということで、菊池桃子の1stアルバム「Ocean Side」をご紹介。

このアルバムは、林哲司がサウンドプロデュースを手がけ、シティポップ系のガイド本にも紹介されている1枚。
ガイド本で見た時は、半信半疑だったのだけれど、実際にその音に触れてみて、シティポップとして評価されるのも納得の出来だった。
同時期に林哲司が手がけていた、杉山清貴&オメガトライブに近いサウンド・アプローチで、それがまたファンにはたまらないような気がする。

このアルバム、何と言っても、オープニングを飾る01「Ocean Side」に尽きる。
メロディーが良いのはもちろん、そのサウンド作りが、シティポップそのもの。
ギターのカッティングとチョッパーベースが軽快なリズムを刻み、ブラス・セクションのフレーズがポップで爽やかな印象を残す、林哲司渾身の一作と言えそうなリゾートソング。
CDをプレーヤーにかけて、1曲目にこの曲を耳にして、このアルバムと出会った価値はあったかな、と思わせてくれた。

他には、08「So Many Dreams」も見過ごせない。
ミドルテンポの落ち着いた曲で、01「Ocean Side」が「動」ならば、こちらは「静」のリゾートソングという感じ。
AORとまではいかないなりにも、夕暮れ時が似合いそうな、しっとりして落ち着いた雰囲気の曲。

その他にも、02「SHADOW SURFER」は、アイドルポップ的な軽やかさを持ちつつ、ウェストコースト風のサマーサウンドが心地良い1曲。
続く03「BLIND CURVE」も、オメガトライブ的な音作りが、個人的には気に入っている曲。
07「EVENING BREAK」は、アイドルポップの王道とも言えそうなポップソングだけれど、その爽やかさが魅力と言えば魅力。

クレジットを見ると、松原正樹(G)、今剛(G)、林立夫(Dr)、斎藤ノブ(Per)といったパラシュート陣営が参加してたり、山下達郎バンドでもお馴染みの青山純(Dr)や、村上"ポンタ"秀一(Dr)、吉川忠英(A.G)といった腕利きミュージシャンの名前が見える。
やはり、こう言ったミュージシャンが参加したことで、高いクオリティを獲得して、シティポップとして評価されるようになった原因の一つかもしれない。

林哲司の著書「歌謡曲」の中にも語られていたけれど、菊池桃子がデビューするのにあたって、今までのアイドルの方法論は使わないで音楽を作ろうと言う意図があったと言う。
ジャケットのデザインも、顔のアップのポートレートが主体だった当時のアイドルのアルバムとは一線を画しているのも、そう言った意図の現れだったらしい。

やや歌謡曲寄りの曲も収録されてはいるけれども、タイトルチューンの01「Ocean Side」に出会えただけでも、このアルバムを手に入れて良かったな、と思えたアルバム。
80年代の林哲司のサウンド・プロダクトが好きな人は是非。


【収録曲】
01. Ocean Side
02. Shadow Surfer
03. Blind Curve
04. Summer Eyes
05. Futari No Night Drive
06. Seishun No Ijiwaru
07. Evening Break
08. So Many Dreams
09. I Will
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2006年06月29日

大江千里「OLYMPIC」

大江千里「OLYMPIC」先日、谷村有美の1st「Believe In」を聞き直してみて、なかなか良い作品だったんだなぁ、と再評価したことは以前のエントリーで書いた通り。
そんな「Believe In」の全ての曲のアレンジを手がけたのが大村雅朗だったことから、彼が担当した様々な楽曲に興味を持ち、中古盤屋を散策の毎日。

そんな中で、思いがけず再会したアルバムが、大江千里の「OLYMPIC」。
87年に発表された作品で、全ての曲のアレンジを大村雅朗が担当している。
大村憲司〜清水信之と言う、シティポップの代名詞と呼べそうなアレンジャーに続く形で、前作「AVEC」から大村氏がアレンジを担当。

この「OLYMPIC」というアルバム、初夏にリリースされたこともあってか、全体的に「夏」を感じる爽やかなナンバーが多い1枚。
中学生の頃好きなシンガーの一人だったので、ノスタルジックに響くかと思いきや、今聞いても非常に新鮮で、十分に聞くことの出来るポップアルバムだった。

改めて聞き直してみて、素直に驚いた曲は、03「STELLA'S COUGH」。
大江千里にしては、R&B色の強いアレンジの曲で、チョッパーベースとタイトなドラム、それに絡んでくるファンキーなギター・カッティングがなかなか心地良い1曲。
大江千里らしいポップなメロディーが、R&B色を薄めているけれど、この曲は、かなり気に入った。

その他の曲では、西海岸のAOR風なサウンド・アプローチをしているミディアム・テンポのナンバー、05「塩屋」も良かった。
この「OLYMPIC」というアルバムをネットで検索してみたら、意外にこのナンバーのファンが多いようだ。
特に派手さも無い、さりげない1曲だけれど、確かに不思議な魅力を持っている曲だ。
そう言ったミディアム・テンポの曲で言うと、アルバムラストの10「gloria」も、エレピを中心にしたシンプルなアレンジに好感が持てる。
そして意外と見過ごせない曲だったのが07「贅沢なペイン」。
ミュートを聞かせたギターのカッティングが曲の雰囲気を作り出しているミディアムテンポのナンバーで、シンプルながらも味わいのある曲だった。

それから、いかにも大江千里と言うような、キャッチーなメロディーを持った曲も、もちろん魅力的。
中でも、先行シングルとなった09「YOU」は、イントロの印象的なピアノのフレーズとポップなメロディーが、大江千里のポップサイドを代表する曲の一つだろう。
シングルになったのも納得の出来。
01「回転ちがいの夏休み」や06「エールをおくろう」といった曲も、キャッチーでポップな雰囲気が、大江千里の王道ナンバーを受け継ぐ曲。
この2曲を聞くと、やはり「十人十色」が、大江千里のイメージを決定づけていたのだなぁ、と言うのを実感する。もちろん、そう言う曲も好きなのだけれども。

久しぶりに、この時期の大江千里の作品を聞き直してみて、なかなか良い作品をリリースしていたのだなぁ、と言うことを実感。
そんな風に「大村雅朗」をキーワードにして、色々と世界が広がっていきそうな予感。


【収録曲】
01. 回転ちがいの夏休み
02. 路上のさよなら
03. STELLA'S COUGH
04. 小首をかしげるTシャツ
05. 塩屋
06. エールをおくろう
07. 贅沢なペイン
08. 夏渡し
09. YOU
10. gloria
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2006年06月21日

羽根田征子「SORA」

羽根田征子「SORA」羽根田征子の2ndアルバム「SORA」。佐藤博プロデュースの89年発表の作品。
吉田美奈子のプロデュースだった1stアルバム「Beating Mess」は、良くも悪くも吉田美奈子の「硬質ファンク」路線を受け継ぐ形で、ちょっと重いかな?と言う印象だったけれども、この2ndはイイ感じに軽めのサウンドになっていて、個人的に好みの雰囲気。
羽根田の声質的にも、この2ndの路線の方がしっくり来る気はするのだけど。

レコーディングのメンバーは、プロデューサー・佐藤博(Key)を初めとして、今剛(G)、松原正樹(G)、吉川忠英(G)、青山純(Dr)、浜口茂外也(Per)などが参加。
意外な所では、菅野よう子(Key)や、cobaこと小林靖宏(Accordion)などの名前もあったり、日野皓正がコルネットで参加した曲もある。

シティポップ的なナンバーで言えば、03「MILKY WAY」や06「鳥のさえずりが聴こえる?」が、リゾート風のサウンドを響かせていて、どちらも、ギターのカッティングが心地良い曲。
他には、オールディーズ風のメロディが良さげな05「SANDY」や、ボサノヴァ的なリズムを取り入れた11「Phe´nix」なども、聞き所と言えるかも。

佐藤博も自らのアルバム「TOUCH THE HEART」の中で唄っている、01「ROSY HEART」が収録されているのも注目点かもしれない。
佐藤のバージョンとほぼ同じアレンジだけれど、ボーカルが違うせいか、羽根田バージョンの方が爽やかな雰囲気がする。
歌詞をよく読むと、同じシチュエーションを男性から描いた物(佐藤)と、女性から描いた物(羽根田)に書き分けられているのも面白い。

そして、バラード系の曲も、なかなかの出来。
まずは、吉田美奈子の作詞作曲によるバラード08「WINDY」。
前田憲男による、ピアノとストリングスを中心にしたシンプルなアレンジに好感が持てる1曲。
続く09「EVERGREEN」は、上田知華の作曲で、これもしっとりしたナンバー。
服部克久によるストリングスのアレンジが、歌詞の世界観を更に深い物にしているように感じる曲。

このアルバムのレコーディング中、プロデューサーである佐藤博は、自分のアルバム「TOUCH THE HEART」も平行して制作していたらしく、そうやって意識して聞くと、サウンドの作りも、この2枚のアルバムは通じる部分は多いかもしれない。
佐藤の「TOUCH 〜」が好きな人は、チェックしてみるのも面白いかもしれない。

ちなみに羽根田征子、現在は羽根田ユキコと改名し、現在も活動中とのこと(オフィシャルサイト)。
デヴィッド・フォスターらがプロデュースを手がけた幻の3rdも、ここから通販で買えるようです。


【収録曲】
01. ROSY HERAT
02. 恋唄千里 (It isn't easy)
03. MILK AWAY
04. BESAME
05. SANDY
06. 鳥のさえずりが聴こえますか?
07. DADA
08. WINDY
09. EVERGREEN
10. HAPPY BIRTHDAY
11. Phe´nix
12. 吹き過ぎた風のように
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2006年06月18日

原田知世「Summer Breeze」

原田知世「Summer Breeze」ゴンチチのプロデュースによる、原田知世のカヴァーアルバム「Summer Breeze」。2001年発表。
タイトルの「Summer Breeze」が表すように「初夏のそよ風」というような、爽やかな雰囲気を感じるアルバム。

アレンジと演奏にゴンチチが関わっているのもあって、全編アコースティックで、ボサノヴァ・テイスト溢れる作品に仕上がっている。
どの曲も、元のメロディーがいいので、ボサ・アレンジにしても映える曲ばかり。
さらに、原田知世の落ち着いたボーカルが、優しげなメロディーを引き立てている。

最初、キャロル・キングの07「You've Got A Friend」のカバーが収録されているとことで興味を持ったのだけれど、実際にその音に触れてみたら、それ以外の曲も思いのほか良かった。
01「Say You Love Me」から、爽やかなメロディーのボサノヴァ・ナンバー。
ボビー・ヘブの02「Sunny」が、こんなにボサノヴァな曲に生まれかわると言うのは、意外だった。元々、ボサの名曲だったかのような風情を感じてしまう。
ランディー・ヴァンウォーマーの03「Just When I Needed You Most」や、ビージーズの04「How Deep Is Your Love」などは、シンプルな演奏になった分、元曲のメロディーの良さが更に際立っているように思える。

やっぱり、個人的なハイライトは、07「You've Got A Friend」。
ジェイムス・テイラーにしろ、キャロル・キングにしろ、この曲が昔から好きだったというのも大きいとは思うけれど、原田知世のボーカルも、かなりハマっている。
そして、キャロル・キングのメロディーメーカーとしての素晴らしさも改めて再確認したり。

原田知世と言うと、鈴木慶一のプロデュースの三部作や、トーレ・ヨハンソンとのコラボレート作なども有名だけれど、このゴンチチのプロデュースによる小品も、なかなか味わい深い作品で、イイ感じです。


【収録曲】
01. Say You Love Me (Patti Austin)
02. Sunny (Bobby Hebb)
03. Just When I Needed You Most (Randy Van Warmer)
04. How Deep Is Your Love (Bee Gees)
05. If (Bread)
06. Scarborough Fair (Simon & Garfunkel)
07. You've Got A Friend (Carole King)
08. That's The Easy Part (Beth Nielsen Chapman)
posted by あれ at 00:14| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 00〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月17日

タケカワユキヒデ「走り去るロマン」

タケカワユキヒデ「走り去るロマン」後にゴダイゴのボーカルとして活動するタケカワユキヒデが、ゴダイゴ活動以前の75年にリリースしたソロアルバム「走り去るロマン」。
ミッキー吉野のプロデューサー的戦略で「アジア」のイメージをチラつかせていたゴダイゴとは違い、ウェストコーストへの憧れを素直に音に託したと言えそうなアルバム。
全曲、英詞で唄われていることからも、そういった憧憬というのは、感じ取れるかな。
ちなみに、全ての曲がタケカワによる作詞作曲。

オープニングの01「Truly Me」から、ウェストコーストな雰囲気全開。
ブラスとストリングスをフィーチャーしながら、岡沢章の流れるようなベースラインに乗せて、タケカワの書くポップなメロディーがオープニングにふさわしい。
タイトル曲である04「Passing Picture」も、01「Truly Me」に通じる西海岸風のポップソング。
疾走感溢れるメロディーは、ドライブでもしながら聞きたい気分。
この曲の2曲には、深町純(Key)と村上"ポンタ"秀一(Dr)が参加。

02「Now And Forever」は、アコースティックギターとハープシコードをアンサンブルの中心にした、フォークロック調のナンバー。
タケカワ自身による多重コーラスが、ママス&パパスやCS&Nなどのイメージと被る。

そして、タケカワと言うとビートルズ・フリークとしても有名だが、07「Tow People Together」は、そんなタケカワの一面が出た曲。
ポール・マッカートニー的なメロディーラインに、ブラスセクションの導入が、ソフトロックな雰囲気を作っていて、個人的には好きなタイプの曲。
ちなみに、ベースには後藤次利が参加。後にファンキーなベースを弾く印象は無いけれど、手堅くタケカワをサポートしている。

12「Pretty White Bird」は、フェンダーローズをバックに唄われるメロウな1曲。
優しげに唄うタケカワのボーカルが魅力的で、AORとしても十分聞ける。
この曲は、ジャパニーズAORが好きな人も、スンナリ受け入れられるような気がする。
この曲のアレンジ&キーボードは、後にゴダイゴの盟友となるミッキー吉野。

「シティポップ」として語るには、ちょっとウェストコースト寄りのサウンドではあるけれど、よく出来たポップアルバムである事に違いは無い。
何と言っても、メロディーメーカーとしてのタケカワユキヒデの才能が、端的に現れた1枚と言えるんじゃないかな。
ちょっとジャケは野暮ったいけど(何度か差し替えられて、これは3パターン目だと言う)、音の方はなかなか良く出来た爽やかなポップソングばかりなので、気に入る人も多いように思う。


【収録曲】
01. Truly Me 〜ぼくのドリーム
02. Now And Forever 〜いつもふたり
03. Night Time 〜夜の都会
04. Passing Picture 〜走り去るロマン
05. Lucky Joe 〜ラッキー・ジョー
06. Water She Wore 〜雨に踊る少女
07. Two People Together 〜二人の童話
08. Hazy Nun 〜雨の尼僧
09. Fragments 〜君のひとこと
10. Happiness 〜ぼくらの幸せ
11. I Can Be In Love 〜スポット・ライト
12. Pretty White Bird 〜白い小鳥
posted by あれ at 01:33| Comment(0) | TrackBack(1) | ジャパニーズポップ 70's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月16日

伊藤銀次「Deadly Drive」

伊藤銀次「Deadly Drive」毎年、この時期になると聴きたくなる曲が、伊藤銀次の「こぬか雨」。
優しげなメロディーとスローなアレンジが、しとしとと降る雨を連想させて、自分にとって、この「雨の季節」には欠かせない1曲。

その「こぬか雨」が収録されているのが、伊藤銀次の1stソロデビュー作「Deadly Drive」。77年リリース作品。
「こぬか雨」は、もともとシュガーベイブのナンバーとして書かれた曲だったらしいけれども、結局シュガーベイブとしてはディスク化することなく終っている。
シュガーベイブのアレンジは、アップテンポでファンキーな物だったと聞くが、どんな雰囲気だったのだろう。

そんな04「こぬか雨」だが、このアルバムでは、静かで優しげなメロディーが、坂本龍一の弾くフェンダー・ローズの音色も相まって、しとしとと心を打つ。
シュガーベイブのファンキーなアレンジでなく、こういうアレンジに変えた所に、伊藤銀次のプロデューサーとしての才能を感じてしまうな。

その他の曲では、爽やかなメロディーが印象的な01「風になれるなら」も、自分のお気に入りの一つ。
大貫妙子のコーラスも、そんな爽やかさに花を添えている。
02「I'm Telling You Now」は、60年代のイギリスのバンド、フレディ&ザ・ドリーマーのカバー。
ゆったりしたレゲエ・アレンジで、原曲のイメージをいい意味で覆して、伊藤銀次のオリジナル・ソングと言えるくらいに昇華させている。
アルバムのタイトル曲03「Deadly Drive」は、村松邦男のギターを全面的にフィーチャーした、ノリの良いインストナンバー。
フュージョンっぽいノリが、心地良い1曲。
08「Hobo's Lullaby」は、アルバムの最後を飾るにふさわしいアーシーなアメリカン・ロックを感じるナンバー。
その他、トーキング・モジュレーターをフィーチャーしたファンキーなナンバー05「KING-KONG」や、なぜかサルサっぽいのノリの06「あの時はどしゃぶり」なども収録。

そして、このアルバム、ゲスト陣が豪華。
元シュガーベイブからは、村松邦男(G)、上原裕(Dr)、大貫妙子(Cho)、そして鈴木茂のハックルバックから田中章弘(B)、他には、坂本龍一はキーボードの他に、ホーンやストリングスのアレンジで参加。
こうやって名前を並べて行くと、ティンパンアレー、ナイアガラに関係したミュージシャンと言うのは、面白いほどに繋がりがあるのだな、と言うことも実感する。

それにしても、こんな名盤が、廃盤状態だと言うのは悲しいな。
と言うか、このアルバムだけでなく、伊藤銀次のアルバムは、軒並み廃盤なのは悲しい出来事。
特に、初期のポリスター時代のアルバム、再発されないかなぁ……。


【収録曲】
01. 風になれるなら
02. I'm Telling You Now(好きなんだ)
03. Deadly Drive
04. こぬか雨
05. KING-KONG
06. あの時はどしゃぶり
07. Sweet Daddy
08. Hobo's Lullaby(ホーボーズ・ララバイ)
posted by あれ at 00:01| Comment(4) | TrackBack(1) | ジャパニーズポップ 70's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月15日

森高千里「ロマンティック」

森高千里「Romantic」森高千里の88年発表の5曲入りミニアルバム「ロマンティック」。
初期森高の一般的な印象と言うと、突飛な歌詞と奇抜な衣装と言う所かもしれないけれど、このミニアルバムは、夏向けのリゾートポップを展開していて、なかなか心地良い1枚。

タイトル曲である02「Romantic」が、ベストトラック。
ちょっとラテン風味のアレンジと爽やかなメロディーが、なかなかの1曲。
少々雰囲気は異なるけれど、初期の山下達郎や角松敏生に通じるリゾートサウンド、と言う感じだろうか。
さりげなく曲を引っ張る、高水健司の流れるようなベースプレイが心地いい。

01「サンホセの道」は、言わずとしれたバート・バカラックのカバー。
ボサ・リオのバージョンを下敷きにしたバージョンで(というか、そのまんまのアレンジなのだが)、普通にバカラックカバーとして聞くことが出来る。
03「あの日のフォトグラフ(ボサノバヴァージョン)」は、1stアルバム収録曲のリアレンジ・バージョン。
1stアルバムは持ってないので、オリジナルとの比較は出来ないのだけれど、普通にボサノヴァをやってます。
森高のヘタウマ・ボーカルが、アストラッド・ジルベルトに通じる……なんて書くと褒め過ぎかな……。
04「海岸」と05「静かな夏」も、02「Romantic」と同じく夏っぽいリゾートソング。
両方ともメロディーはそこそこいい曲なのだけれど、ちょっとアレンジがお粗末かな。
せめてグルーヴィーなギターの音でも入ってたら、全然違う雰囲気になったんだろうけど。

と、そんな感じのミニアルバムなのですが、02「Romantic」は、かなりイイ。
森高のヘタウマ・ボーカルさえ気にならなければ、シティポップ好きにも受け入れやすいサウンドではないかと。
森高千里って、初期〜中期こそ色物的な印象が強い曲が多いけれど、「TAIYO」以降の後期のアルバム(細野晴臣プロデュースの「今年の夏はモアベター」も含む)は、結構イイ感じの曲が多いので、普通のポップスファンにも、是非聞いて頂きたいものであります。
特にボサ・アレンジの曲は絶品です!


【収録曲】
01. サンホセへの道(Do You Know The Way To San Jose)
02. Romantic
03. あの日のフォトグラフ(ボサノバヴァージョン)
04. 海岸
05. 静かな夏
posted by あれ at 00:54| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 80's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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