2007年06月05日

吉田美奈子「FLAPPER」

吉田美奈子「FLAPPER」この所、何となく吉田美奈子ばかり聴いている。
ちょっと前までは、アルファ時代のファンク路線が好きだったが、久しぶりに「FLAPPER」を聞き直してみたら、こんなにも良いアルバムだったのかと、評価を改めた次第。
そんなワケで、今回は吉田美奈子が76年に発表した「FLAPPER」を取り上げてみる。

このアルバムは、なんと言っても参加しているミュージシャンが豪華。
細野晴臣(B)、鈴木茂(G)、林立夫(Dr)、松任谷正隆(Key)と言ったティンパン勢をはじめ、佐藤博(Key)、矢野誠(Key)、矢野顕子(key)、浜口茂外也(Per)、山下達郎(cho)、大貫妙子(cho)らのティンパン周辺のミュージシャン、そして村上秀一(Dr)、高水健司(B)、松木恒秀(G)といった腕利きのスタジオミュージシャンたちも参加している。
そう言ったミュージシャンだけでなく、作曲家陣もバラエティに富んでいて、吉田美奈子のオリジナル曲のほか、山下達郎2曲、細野晴臣1曲、大瀧詠一1曲、矢野顕子1曲、佐藤博2曲と言った具合。

アルバムのオープニングを飾る01「愛は彼方」。
吉田美奈子のソウルフルなボーカルが印象に残る1曲で、バッキングの中心はティンパンアレーの面々。
AOR風な側面、ソウル風な側面、ポップス的な側面、ファンク的な側面が一つの世界観の中に凝縮されているような(?)曲で、このアルバムのオープニングを飾るのにふさわしいナンバーと言えるかも。
とにかくカッコイイとしか言いようがない。

矢野顕子が作曲した02「かたおもい」は、いかにも矢野顕子らしいメロディーラインを持った曲。
細野&林のティンパン・リズム隊が、その独特な世界を更に深いものにしている。

佐藤博の作曲による03「朝は君に」は、このアルバムの中では一番AOR風な音作り(当時AORと言う表現があったか知らないが…)。
メロディーはもちろんのこと、佐藤博のエレピのフレーズや松木恒秀のギターのカッティングが、AOR的なメロウな世界観を作り上げている1曲。
自分はこのアルバムの中で一番好きな曲かもしれない。

04「ケッペキにいさん」は、その後のファンク路線を感じさせる1曲。
ドラム&ベースだけでなく、ピアノとクラビネットまでもリズム楽器と化しているような雰囲気。
改めて聴いてみると、このリズムはもの凄いな。

細野晴臣作曲の05「ラムはお好き?」は、初期のユーミンにも通じる、セカンドライン的なサウンド作り。
バッキングはもちろんティンパンアレー勢で、少々ユーモラスな雰囲気も、ティンパンならではと言えるかもしれない。

日本語曲で最もカバー曲が多いとも言われる06「夢で逢えたら」。
元々大瀧詠一がアン・ルイス用に書いた曲だったのがボツになり、吉田美奈子に流用したと言う、曰く付きの曲。
アレンジの多羅尾伴内は、言うまでもなく大瀧本人。
(様々なカバーに関しては、夢で逢えたら Perfect Collectionと言う詳しく解説したページがありますので、そちらを参照して下さい)

07「チョッカイ」は、久しぶりに聴いて驚いた1曲。
かなりスライ&ザ・ファミリーストーンしているのが無茶苦茶カッコイイ。
後のニューヨーク的なファンクではなく、もっと泥臭い感じのファンク。
高水健司のブイブイとうなるベースと、重たいリズムを叩くポンタのドラムがたまらない。

08「忘れかけていた季節へ」は、吉田美奈子自身が弾くピアノに、ストリングスが重なっていくバラード曲。
このアルバムの中では、デビューアルバムの「扉の冬」の路線に一番近いのは、この曲かな。

作者である山下達郎自身も後にセルフカバーする09「LAST STEP」。
ティンパン勢がバックに参加していることもあってか、少々セカンドライン寄りのアレンジ。
この曲も05「ラムはお好き?」のように初期のユーミンっぽい雰囲気も感じる。

アルバムのラストを締めくくるのは、名バラード10「永遠に」。
この曲も作者である山下達郎自身がセルフカバーしている。

色んな要素が混在していて、アルバムとして聴くと少々散漫な気はするけれども、一つ一つの曲はそれぞれに魅力的。
ネット上の評判を見てみても、「ティンパンアレーが参加したポップアルバム」的評価と、「ジャパニーズ・ファンクの源流」的評価と二通りあるようだが、そう言う二つの路線が一つのアルバムにまとめられている点が、このアルバムの個性的な部分であるようにも思う。


【収録曲】
01. 愛は彼方
02. かたおもい
03. 朝は君に
04. ケッペキにいさん
05. ラムはお好き?
06. 夢で逢えたら
07. チョッカイ
08. 忘れかけてた季節へ
09. LAST STEP
10. 永遠に
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2007年05月27日

米光美保「FOREVER」

FOREVER何となく買ったCDが、何となく気に入って、唄ってる歌手が何となく好きになっている、と言うパターンは、自分の中では少なくない。
今回紹介する米光美保も、そんなシンガーの一人。

角松敏生のプロデュースと言うことで、何となく2枚のアルバムを手に入れ、何となく聴いていくうちに、いつの間にか好きなシンガーになっていた。
東京パフォーマンスドール時代は、活動自体にそれほど興味はなかったのだけれど、角松作品を聞いているうちに結構ハマってしまい、今では好きな女性シンガーの一人。

このアルバム「FOREVER」は、角松敏生がプロデュースを手がけた2作目にあたる作品。
曲とアレンジはもちろん、ほとんどの曲の打ち込み、ギターで角松が参加していて、「角松ワールド」が好きな人には、何の抵抗もなく受け入れられる音なのでは?

やはりシティポップ好きとしての聞き所は、08「恋は流星〜SHOOTING STAR OF LOVE〜」でしょうか。
言うまでもなく、吉田美奈子の「Twilight Zone」に収録された曲のカバーバージョン。
今聴くと、打ち込みのバッキングが少々「90年代的」なものを感じさせなくもないけれども、米光の歌声とメロディーの相性は抜群で、この曲をカバーさせようと思った角松のセンスには恐れ入る。
個人的には、吉田美奈子のオリジナルよりも好きかもしれない。

そして、個人的にこのアルバムで一番気に入っているナンバー、06「YA-DA」。
サンバ風のリズムを取り入れた、ゆったりしたナンバーで、少しアンニュイな雰囲気が漂うポップス。
この「ちょっとアンニュイ」な雰囲気が、米光のボーカルにはよく似合う。
(この曲のみ、曲とアレンジは先日急逝した浅野"ブッチャー"祥之氏です。この場を借りて氏のご冥福をお祈りします)

そして、バラードナンバーもかなり良く、07「Feel of you (Album Version)」は、「シンガー米光美保」を味わうには最適のナンバー。
ピアノとストリングスがアンサンブルの中心になったバラードで、メロディーラインは「いかにも角松!」と思えるような曲だけれど、米光のボーカルもメロディーにマッチしているし、名バラードと言ってしまっていいと思う。
改めて聴いていて、こう言う曲での米光の声は本当に映えるなぁ、と思った。

他の曲を簡単に解説すると、オープニングの01「ナチュラル・フーズ」は、ファンキーなフュージョン・インスト。
いきなりこんな曲で幕を開けるとは、アイドル的に彼女を見ていた人は面食らっただろうなぁ……。
03「ILLUSION TOWN」は、軽快でダンサブルなポップス。
米光の爽やかな声と軽快なアレンジがマッチしていて自分はかなり好みのダンスチューン。
打ち込みのリズムに生のブラスが軽快に鳴り響く。
04「眠れない夜」は、静か目の曲で、フリューゲルホーンが、なかなか良い味を出している。
05「FALL IN LOVE, IT'S FOREVER」は、メロウなダンスチューン。
この曲でも、角松の書くメロディーラインと米光のボーカルの相性はバッチリ。
ただ、アレンジがちょっとゴチャゴチャした印象があるので、シンプルな伴奏で聴きたい曲ではありますが……。
09「ひとりじゃないのよ」は、今の米光が歌っているような曲に一番近いかな?
ピアノを中心にしたバッキングのミディアム・ナンバーで、3分弱の短い曲ながらも、シンガーとしての米光の魅力は十分に伝わる良曲。

彼女は現在でもシンガーとして活動中で、インディーながらもアルバムをリリースしている。
自分としては、現在の歌手活動の方が聴いていて心地よい曲が多いので、密かに応援中。
2ヶ月に一度ほどのペースで行われている汐留のフリーライヴにも、何度か足を運んでみたり。
もちろんアルバムもすべて購入しました。

現在の活動については、彼女の公式サイトを訪れれば色々と分かります(ページを開くと音が出ます)。
曲の試聴も出来るので、気になっている人は是非!!!


【収録曲】
01. ナチュラル・フーズ
02. LABYRINTH
03. It's just a moment 〜weariness〜
04. 眠れない夜
05. FALL IN LOVE, IT'S FOREVER
06. YA-DA
07. Feel of you (Album Version)
08. 恋は流星
09. ひとりじゃないのよ


♪米光美保「恋は流星」
posted by あれ at 02:09| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月25日

杉真理「Song Writer」

songwriter.jpg先日の Mari & Red Stripes に続き、デビュー30周年を記念して過去作が続々とリイシューされる杉真理。
デビュー30周年スペシャル・サイトまで開設され、密かな盛り上がりを見せている模様(サブコンテンツの杉さんのブログが面白い!)。
そんなコンテンツに刺激され、1980年発表の杉真理の1stソロアルバム「Song Writer」をピックアップ。

このアルバムは、全編、作詞作曲は杉真理で(1曲共作あり)、編曲は松任谷正隆と言う布陣。
参加ミュージシャンも豪華で、ギターには鈴木茂、松原正樹、今剛、吉川忠英、ベースは高水健司、岡沢茂、ドラムスは青山純、島村英二らが参加。
ピアノやシンセサイザーなどのキーボード関連は、もちろん松任谷。
こうした一連の名前を見るだけでも「名盤だよなぁ」と言うのが分かるような気がします。

2ndアルバム以降、ビートルズの影響を隠さずに直球で攻める曲が多くなるが、このアルバムは松任谷のアレンジのせいなのか、そういった面は影を潜め、シュガーベイブから脈々と受け継がれるシティポップ的なテイストに溢れた1枚といった印象。

このアルバムで、杉がロマンティックなソングライターとしての真骨頂を見せているのは、ソロデビューシングルでもあった03「Hold on」。
杉の書く甘く切ないメロディーも天下一品だが、松任谷のストリングス・アレンジが、メロディーのロマンチックな響きを更に引き立てていて、聞き所と言えるかも。竹内まりやへの提供曲のセルフカバー。
そして、このアルバムの中で、一番AOR度の強い05「Send her back to me」も個人的には推したい曲。
杉の書くメロディーはもちろんのこと、松任谷によるストリングス・アレンジが、この曲の甘い雰囲気を更に盛り上げる。
「和製AOR」好きの人には、是非とも聴いてもらいたい1曲。

では、その他の曲。
今剛による軽快なギターカッティングで幕を開けるポップチューン01「Don't stop the music」。
1stソロのオープニング曲のタイトルが「Don't stop the music」だったと言うのにも、その後の長い活動への意気込みを感じてしまう。
02「恋のかけひき」は、大瀧詠一が杉に注目するきっかけの曲だったと言う。
この曲で注目すると言うのは自分としては意外だったが、言われてみれば「ロンバケ」系の曲として聞こえる雰囲気。
ちなみに、竹内まりやがコーラスに参加。
04「悲しきクラクション」は、当初シングルの予定だった曲だそうで、シングル向きな軽快なナンバー。
自分的にはそれほどグッとはこないが、この曲には榊原郁恵によるカバーバージョンもあると言う(自分は未聴)。
06「追いつめられた恋人達」は、01「Don't stop the music」にも通じるポップなR&Rナンバー。
ポール・マッカートニーのソロやウィングス風のナンバーで、こう言う曲を聴くと、杉真理と言う人はポール直系のソングライターなのだなぁ、と言うのを強く感じる。
続く07「Catherine」は、マイナー調のナンバー。
曲調に加えて女性の名前をタイトルにしている点で、ビートルズの「Michelle」をついつい思い浮かべてしまう。
08「サンシャイン ラブ」は、アコースティックギターの音色が爽やかなポップソング。
アメリカの少年が遠いリバプールを思うような歌詞は、日本からリバプールに憧れていた杉少年の姿を重ねていたのか?
竹内まりやがコーラスに参加している09「My baby's back」は、ストレートなR&Rサウンド。
こう言うバンドサウンドで聴かせる曲も出来るのが、他のソロボーカリストにはない、杉の強みでもあるように自分は思う。

そして、アルバムのラストを飾る10「Dreamin'」。
松任谷正隆のストリングス・アレンジが光る1曲で、まるで映画のエンディングでも見ているかのような印象のラストナンバー。
杉の書く甘いメロディーも魅力的だが、それに加えて弦楽器の音色が本当にロマンチック。
昔のディズニー映画って、こう言う雰囲気の曲が流れていたようなぁ、と思わせてくれた1曲。
改めてこのアルバムを聞き直して、再発見をしたのだけれど、この曲は本当に素敵だ。歌詞もいいし。

全編通して聞いてみて、杉の書くメロディはもちろんのこと、ストリングス・アレンジがいいアルバムだなぁ、と思った。
杉さんのブログで、リマスタリングをしてストリングスが見違えるようになった、と書かれているのを見ると、ほとんどCD選書で集めた旧作はやはり買い直さなければダメかなぁ、と思っている次第。

考えてみれば、このブログの最初のエントリーは、杉さんの「STARGAZER」だった
この所、文章を書くことが出来なくなって更新が激しく滞っているこのブログだけれども、思いがけず「原点回帰」を思い知らされた感覚。


【収録曲】
01. Don't stop the music
02. 恋のかけひき
03. Hold on
04. 悲しきクラクション
05. Send her back to me
06. 追いつめられた恋人たち
07. Catherine
08. サンシャイン ラブ
09. My baby's back
10. Dreamin'
posted by あれ at 01:50| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 80's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月13日

SweetS「Waiting for U」

ミエナイツバサ.jpgアイドルの曲と言ってもバカにできない、と言うのは何年も前からの持論であるワケだが、そんな風にして、またとびっきりの名曲に出会ってしまった。
今回紹介する、SweetSと言うエイベックスの5人組のグループの「Waiting for U」と言う曲がその曲。

軽やかでポップなメロディーと、ジャケットの印象も相まって、爽やかなサマーチューンと言う雰囲気の1曲。
タイトルソングである「ミエナイツバサ」は、良くも悪くも小室哲哉以降のJ-POPと言う雰囲気ではあるのが、カップリングはそれとは全く異なる極上のサマーチューン。

それもそのはず、プレイヤーとして腕利きのミュージシャンが参加している曲なのだ。
アレンジを手がけた山田秀俊(Key)を始め、島村英二(Dr)、美久月千晴(B)、芳野藤丸(G)、浜口茂外也(Per)と言うミュージシャンたちが参加。
このメンバーを見て、何かを感じる人が居たら、是非とも聞いてもらいたい。

イントロから、緩やかに16ビートを刻むドラムにチョッパーベース、ワウを聞かせたギターのカッティング、もうこの時点からシティポップの雰囲気が満載。
歌に入ってからも、芳野藤丸のカッティング、島村英二と美久月千晴の安定したリズム隊、それから山田秀俊のエレピも効果的に挟み込まれる。
そして、SweetSのメンバーによるコーラスも爽やかな印象で、サマーチューンと言う雰囲気を作り出している要素の一つ。

それから、なんと言っても、この曲のインストバージョンが素晴らしい。
J-POP系のインストバージョンと言うと、単なるカラオケと言う印象が強いけれども、この曲に限っては、「フュージョン・インスト」として聞くことが出来る
このバージョンを聞くと、単純なカラオケではなくて、きちんとアンサンブルで聞かせているバッキングであることが分かる。
それから芳野藤丸のギターが、曲の雰囲気を作り出すの面でかなり重要な要素なのかな、と言うのも分かる。
このインストバージョンを聞かせて、一体どのくらいの人が、エイベックスのアイドルのインスト版だと思うのだろうか?

本当に「アイドル」と言う偏見をなくして、シティポップが好きな人には、是非とも聴いてもらいたい1曲。素晴らしい。


【収録曲】
01. ミエナイツバサ
02. Waiting for U
03. ミエナイツバサ (Instrumental)
04. Waiting for U (Instrumental)



♪SweetS「Waiting For U (Live Version)」
posted by あれ at 22:07| Comment(0) | TrackBack(2) | ジャパニーズポップ 00〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月09日

五島良子「The Musical Chimes」

五島良子「Musical Chimes」五島良子が97年にリリースしたアルバム「The Musical Chimes」。
以前に「Decade To Date」を紹介したけれども、このアルバムも「Decade To Date」と同じようなジャパニーズ・フリーソウルと呼べそうな路線のアルバム。
アレンジには、五島本人の他に青山陽一と森田浩司が参加している。

このアルバムのハイライトは、何と言ってもオープニングを飾る01「Swingin' the Swing」だろう。
ファンキー&ソウルフルなナンバーで、ワウを効かせたギターとフェンダー・ローズの音色が、70年代ニューソウル的なフィーリングを感じさせてくれる1曲。
そう言うアレンジにも関わらず、メロディーのポップさのおかげで、重たくならずにファンキーでありポップである曲に仕上げているのが、個人的には非常に好感が持てる所。
某ガイド本でも、この曲をフィチャーしたレビューが書かれていたのも納得できる。

その01「Swing〜」と対をなしそうなのが08「声-Voice-」。
フェンダー・ローズの音色が印象的なメロウ・グルーヴな曲で、爽やかなメロディーながらもグルーヴ感溢れるバッキングは、非常に心地いい。
こういう曲でのゴシちゃんのボーカルは、とても魅力的だと思う。

そして、バラード・ナンバー09「Blue Bird」も、聞き所の一つ。
フェンダー・ローズがバッキングの中心で、そこに4リズムとストリングスが重なり合って、優しげなメロディーを盛り上げる。
アルバムのラストを飾るにふさわしい曲と言えるナンバー。

02「裸身で踊る」は、アコギのカッティングがグルーヴィーでカッコイイ1曲。
03「Pickly Pears」は、ワウをかけたギターと重ためなベースラインが独特なグルーヴを作り出している曲。
05「First Light」は、ローズの音色が印象的なメロウ・グルーヴなナンバー。
この曲のちょっとゴシちゃんの唄い方は、ちょっと粘り気が強い気はするけれども。
06「Setting out the Bright Journey to Another Wishful Star, Today」は、青山陽一がアレンジ&ギターで参加。
ソウルフルな雰囲気はきちんと残しながらも、他の曲に比べてポップなアプローチ。
07「ベッド」も青山陽一がアレンジ&ギターで参加。
アコースティックギターが中心のバッキングで、アコースティック・ソウルとでも呼べそうな雰囲気の1曲。

レビューを書くにあたって、改めてこのアルバムを紐解いてみたけれども、この時期の五島良子に対して、ミニー・リパートンの名前が引き合いに出されるのも分かる気がする。
実際に「Lovin' You」をカバーしていたり、高いオクターヴを誇るボーカルも共通点の一つだろうけれども、そのサウンドのアプローチにも近いものを感じる。
そんな感じで、70年代のソウルが好きな人なら、多分気に入るであろう1枚。


【収録曲】
01. Swingin' The Swing
02. 裸足で跳ねる
03. Picky Pears
04. Short Cut
05. First Light
06. Setting out the Bright Journey to Another Wishful Star, Today
07. ベッド
08. 声 -Voice
09. Blue Bird
posted by あれ at 02:21| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月04日

飯島真理「Miss Lemon」

飯島真理「Miss Lemon」87年リリースの飯島真理6枚目のアルバム「Miss Lemon」。
「ポップなアルバムって、こういうアルバムのことを言うんだろうな」というのが、このアルバムを初めて聞いた時の正直な印象。
セルフプロデュースだった前作「Coquettish Blue」を経て、活動の拠点をL.A.に移した1作目。
アレンジャーとしてジェームス・スチューダーを迎えた1作目でもあります。

改めて聞き直してみて思ったが、このアルバムは、オープニングのポップナンバー3連発が本当に素晴らしい。
01「ガラスのダーリン」は、L.A.でのレコーディングの雰囲気をそのままに、ウェストコーストなサウンド作りのポップナンバー。
02「鏡よ、鏡!」は、モータウンビートを取り入れたナンバー。
シュープリームスの「恋はあせらず」ビートって、不思議と駄曲が少ないように思うのだけれど、この曲もその例にもれず極上のポップサウンドを聞かせてくれる。
03「9月の雨の匂い」は、シンセ・ベースの音色を上手く活かしたダンサブルでポップなナンバー。
このアルバムの中では、個人的に一番好きな曲で、単純に聞いていて気持ちいい。

最初の3曲が思いっきりポップな展開をすれば、続く3曲はAOR風。
04「ミッドナイト・コール」は、エレピをバッキングの中心にした落ち着いた雰囲気のナンバー。
ギターにデヴィッド・T・ウォーカーが参加しているのも、一つの聞き所かも。
05「冷たい雨」は、TOTOあたりにも通じるかな?と言う雰囲気の曲。
06「プラットホーム」は、スラップベースを取り入れたAOR風の曲で、曲中のサックスはケニーGっぽく感じなくもない。このAOR風の3曲の中では、一番好きかな。

07「気まぐれウィークデイズ」は、明るく元気なポップナンバー。
アレンジは、ジェームス・スチューダーだが、清水信之あたりが得意としてそうなポップな雰囲気。
08「パリからのエアメール」は、飯島真理自らの弾くピアノとストリングスをバックにした静かな曲。
ギターに、デヴィッド・T・ウォーカーとクレジットされてるが、この曲ギター入ってる?
09「ロンリーガール」は、マイナー調のアップテンポなナンバー。個人的にはイマイチな印象。
10「I LOVE YOU」は、英詞で唄われる1曲で、ピアノをバッキングにしたしっとりした曲。
アルバムのエンディングを飾るのにふさわしい曲と言えるかも。

全曲のアレンジを手がけているジェームス・スチューダーの色が出たアルバムといえるのかもしれないが、飯島真理の書くメロディーとの相性は抜群だったといえるのかもしれない。
初期の坂本龍一や吉田美奈子がプロデュースを手がけた作品も好きだけれど、個人的によく聞くのはジェームス・スチューダーと組んでた時期のアルバム。
やっぱり、この頃の飯島真理は、公私ともに充実していた時期だったんだろうなぁ、と改めて実感。


【収録曲】
01. ガラスのダーリン
02. 鏡よ、鏡!(I wanna marry you)
03. 9月の雨の匂い
04. ミッドナイト・コール
05. 冷たい雨
06. プラットホーム
07. 気まぐれウィークデイズ
08. パリからのエアメール
09. ロンリー・ガール
10. I LOVE YOU
posted by あれ at 03:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 80's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月24日

渡辺満里奈「Ring-a-Bell」

渡辺満里奈「Ring-a-Bell」この10月に歌手デビュー20周年を迎えた渡辺満里奈。
そんな20周年を記念して、今年の12月にはCD11枚+DVD4枚という全15枚と言うボリュームのボックスセットがリリースされる
15年来のファンである自分のような人間は、このボックスをきっかけに「歌手・渡辺満里奈」の再評価がされたらいいなぁと思う今日この頃。

そんなワケで、今回は渡辺満里奈が96年に発表した6曲入りのミニアルバム「Ring-a-Bell」をご紹介。
ご存知の方も多いと思いますが、このアルバムのプロデュースは、かの大瀧詠一。
曲ごとに参加ミュージシャンはクレジットされていないものの、プロデューサー・大瀧詠一の人脈なのか、かなり豪華な布陣。
主な所をあげると、鈴木茂(G)、村松邦男(G)、吉川忠英(A.G)、徳武弘文(A.G)、井上鑑(Key)、長岡道夫(B)、青山純(Dr)、浜口茂外也(Per)、杉真理(Cho)、ウルフルズ(Cho)などなど。
エンジニアも吉田保だったりして「ナイアガラ・サウンド」を支える人たちが一堂に会した雰囲気も感じる1枚。
そんなことからも、個人的には、シリア・ポールの「夢で逢えたら」の90年代版だと思って聞いてる時期もありました。

そんなアルバムの自分的なハイライトは、佐野元春が曲を提供した03「ダンスが終わる前に」。
この曲は、リリース当時から、本当に好きで好きでたまらない曲だった。
佐野元春の優しげなメロディーが魅力的なのはもちろん、そんなメロディーを包み込む井上鑑のアレンジによるストリングスが、まさに「ナイアガラ・サウンド」の再来。
佐野元春による歌詞も、胸がキューンとくるようなロマンティシズムにあふれた素敵な歌詞で、特に「くちづけはいらない 変わらない約束だけでいいの」と言うフレーズには、どれだけ胸をときめかせていた事か!
ちなみに、佐野自身もシングル「ヤァ!ソウルボーイ」のカップリングとしてカバーしていて、アーシーなアメリカン・ロックな手触りで、こちらはこちらで違った味がある。

01「金曜日のウソつき」は、満里奈のラップというか、おしゃべりを曲の中心もってきた、パーティーソング。
音楽評論家の萩原健太の曲&アレンジで、ウルフルズの「お友達参加」コーラスもパーティー風な雰囲気を盛り上げてくれる。
02「ばっちりキスしましょ」は、オールディーズの「Tonight Belong To Me」の日本語カバー。
ちなみに「Tonight Belong To Me」は、シリア・ポールの「夢で逢えたら」でもカバーされてます。ここら辺も、自分が「夢で逢えたら in 90's」と思った原因の一つだったりするのかもしれません。
04「約束の場所まで」は、しっとりとして優しげなメロディーラインを持った曲で、アレンジには杉真理が参加(嶋田陽一との共同クレジット)。
平井夏美の書いた優しげなメロディーを、しっとりと歌い上げる満里奈も、また魅力的。
05「あなたから遠くへ」は、かつて細野晴臣がプロデュースを手がけた、金延幸子のカバー曲。
オリジナルはフォーク色が強い雰囲気だったのを、ボサノヴァ風のギターと、井上鑑アレンジによるストリングスを全面的にフィーチャーして、新たな曲に生まれ変わっている。
06「うれしい予感」は、アニメ「ちびまる子ちゃん」のオープニングでも使われていた曲。
いかにも「ナイアガラ・サウンド」な雰囲気の曲で、満里奈ファン&大瀧ファンでもあった自分としては、初めて聞いた時には「涙が止まらない」と言う表現がピッタリくるような曲だった。

結局6曲入りのミニアルバムとして発表されたのだけれど、このアルバムには数々のお蔵入りのトラックがあると言う噂が……。
今回のボックスにも、そういった曲の収録は伝えられていないけれども、その曲たちは、ソニーの倉庫に眠っていたりするのだろうか……?
今年は「Ring-a-Bell」のリリースから丁度10年だったワケだし、「Ring-A-Bell 10th Anniversary Edition」とか言って、今回のボックスに未発表曲満載のボーナスディスクをつけてくれてもよかったんじゃない……?


【収録曲】
01. 金曜日のウソつき
02. ばっちりキスしましょ
03. ダンスが終る前に
04. 約束の場所まで
05. あなたから遠くへ
06. うれしい予感(アルバム・バージョン)
posted by あれ at 02:32| Comment(0) | TrackBack(1) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月22日

野田幹子「CUTE」

野田幹子「CUTE」今回紹介するのは、野田幹子の92年リリースの9枚目のアルバム「CUTE」。
自分は、この人の音を同時代的に聞いていた記憶は全くないのだけれども、2〜3年前にビーチボーイズのカバーが収録されている「Winter Couples」と言うアルバムを聞いてから、何となく好きなシンガーの一人。

この野田幹子、初期は岡田徹や渚十吾、鈴木智文らがプロデュースしていて、ムーンライダース系の流れでの評価も高いらしい。
このアルバムではライダース人脈の参加はなく、鳥山雄司や佐藤博、崩場将夫(岩崎元是&WINDYのサポートをやっていた人らしい)らをアレンジャーに迎え、なかなかイイ感じのポップアルバムを展開している。
バックを固めるのも、鳥山雄司(G)、佐藤博(Key)はもちろん、今剛(G)、青山純(Dr)、木戸やすひろ(Cho)、ラジ(Cho)、坪倉唯子(Cho)ら、シティポップ系ではお馴染みのミュージシャンたちが参加。

自分が特に気に入った曲は、06「オートバイと風とあなたと」。
初期の角松敏生のリゾート風な雰囲気を女性向きにシフトさせたような(?)爽快感あふれるメロディーとアレンジが心地よい1曲。
さすがは、岩崎元是&WINDYのサポート・キーボーディストだった崩場将夫、といった感じか。

鳥山雄司がアレンジを担当した01「駆けてみよう」は、アルバムのオープニングにふさわしい爽やかに弾けるポップナンバー。
ブラスのアレンジにスウィングアウトシスター的な雰囲気も感じるが、そういうサウンドと野田幹子のボーカルとの相性がマッチしていて、かなりイイ感じ。
02「彼のハートは夏でした」は、先行シングルとなった曲。
01「駆けてみよう」と同系統のポップソングで、シングルになったのもうなづける。アレンジは佐藤博。
続く03「この駅から」は、mayumiの作曲によるAOR風のナンバー。
アレンジは佐藤博で、彼の諸作に通じる雰囲気を持った曲。佐藤自身によるエレピのソロが、なかなかイイ。
04「最後の恋になるかもしれない」は、作曲:崩場将夫、編曲:鳥山雄司のシャッフルビートのポップナンバー。
05「バスルームでランチ」は、佐藤博による作・編曲。
いかにも佐藤博なメロディーとアレンジは、なんとなく佐藤本人が唄った方がハマるのではないかな、とも思えるブラコン(死語だな……)ノリな1曲。
07「賛美歌に包まれて」は、タイトルにも象徴されるような厳かな雰囲気のバラード曲。
08「Sugar Sugar」は、鳥山雄司が曲とアレンジを担当。
ポップな楽曲ながら、鳥山によるギターのカッティングや坪倉唯子やラジのファンキーなコーラスがカッコイイ。
09「My Brand-new Days」は、落ち着いたリゾートサウンド風の曲。
mayumi作曲のメロディーに、崩場将夫がほんのりとラテンの風味を効かせたアレンジで味付けしている。
10「Afternoon Tea」は、佐藤博のアレンジによる落ち着いた雰囲気のポップナンバー。
12「Sunsetはまあるい気持ち」は、佐藤博のアレンジに今剛のギター・カッティングが映える1曲。

アルバム通して聞いてみると、ポップな楽曲あり、落ち着いた雰囲気の曲あり、リゾート風からブラコン風まで、バラエティに富んだ曲調の曲が並んでいるけれども、1枚のアルバムとしてはきちんとまとまっているような雰囲気。
どことなく、角松敏生や林哲司のようなサウンド・メイクを感じる曲もあったりして、そこら辺のシティポップ好きの人にも十分に受け入れられる作品なのでは?
いわゆるキラーチューンと呼ばれるような曲は収録されてはいないけれども、アルバムを通して聞くと、平均点はかなり高いアルバムなのかな、と思える1枚。


【収録曲】
01. 駆けてみよう
02. 彼のハートは夏でした
03. この駅から
04. 最後の恋になるかもしれない
05. バスルームでランチ
06. オートバイと風とあなたと
07. 賛美歌に包まれて
08. Sugar Sugar
09. My Brand-new Days
10. Afternoon Tea
11. ハンパな気持ちで恋しちゃいけない
12. Sunsetはまあるい気持ち
posted by あれ at 01:05| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月16日

永作博美「Here and Now」

永作博美「Here and Now」以前、美勇伝のシングルを取り上げたけれども、アイドルといえどもジャパニーズ・ポップスのファンとしての自分の心をとらえて離さない曲と言うのは、かなりある。
この永作博美の2ndソロアルバム「Here And Now」も、そんな曲が収録されている1枚。

永作と言うと、今ではすっかり女優さんになってしまって、その歌声を聴く事はなくなってしまったけれども、個人的には、結構好きな女性シンガーの一人だったりする。
このアルバムも、現在は東京事変のベーシストとして知られる、亀田誠治の手堅いサウンド・プロデュースの元、なかなかのポップアルバムを展開している。

中でも、このアルバムで自分的にキラーチューンだと思えるのは、シンプルなボサノヴァに直球勝負で挑んだ06「恋と微笑みと花」というナンバー。
吉川忠英によるアコースティック・ギターをバックに、優しげでポップなメロディを唄う永作のボーカルが、かなり魅力的。
この曲の作詞・作曲は、以前1st「STYLE」や、ボサノヴァ・ユニット、ケルカンなどを紹介した木村恵子。
木村恵子がケルカンで聞かせていた世界観を、そのまま永作が受け継いだような雰囲気が、非常に心地よい。

他には、打ち込みのリズムとボッサを組み合わせた02「Drivin'」もなかなかのポップチューン。
アコースティックギターのカッティングをバックにした、ポップで爽やかなメロディーの1曲。タイトル通り、まさにドライブでもしながら夏の海辺を疾走すると気持ちよさそう。
ちなみに、この曲のアコースティックギターは、吉川忠英と小倉博和(山弦)という二人の名手によるもの。
久保田洋司が作曲した03「エアメイル」は、ミディアムテンポのしっとりとした曲で、優しげに歌う永作のボーカルが、なかなか心地良い。
その昔、THE東南西北というグループで、メロディーメーカーぶりを発揮していた久保田ならではの曲と言えるかも。
09「天使が胸に降りる時」は、ハープや鐘の音を中心としたアンサンブルが、これから冬に向けての季節にピッタリであるような雰囲気。
L⇔Rの黒沢健一による04「Without You」も収録されているけれど、健一の曲ならば、1stアルバム「N」に収録された「My Home Town」の方が、何倍も好きかな。

いわゆる「J-POP」的な曲も収録されてはいるけれども、このアルバムは06「恋と微笑みと花」に尽きる。
こういうボサノヴァ路線なら、今の永作が唄っても全然違和感ないと思うのだけれど、なにか間違ってアルバムをリリースしたりしないものかな?


【収録曲】
01. Feel Me
02. Drivin'
03. エアメイル
04. Without You
05. 信じさせて下さい
06. 恋と微笑みと花
07. 逢いにきて
08. このままでもう少し
09. 天使が胸に降りる時
posted by あれ at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月13日

小坂忠「モーニング」

小坂忠「モーニング」小坂忠と言うと「ほうろう」という名盤ばかりが語られる傾向が強いけれども、それ以外にもなかなか良いアルバムを残している。
77年に発表した、「モーニング」と言うアルバムも、そういう1枚。

この「モーニング」は、小坂のペンによる曲は2曲で、坂本九のカバーの他、細野晴臣、佐藤博、吉川忠英、南佳孝と言ったティンパンアレーファミリーの面々が曲を提供している。
参加ミュージシャンも、細野晴臣(B)、鈴木茂(G)、林立夫(Dr)を始めとして、佐藤博(Key)、駒沢裕城(Pedal Steel)、田中章弘(B)、坂本龍一(Key)、ブレッド&バター(Cho)など豪華な面々がバックを支える。

このアルバムで個人的に一番気に入っているナンバーは、佐藤博の作・編曲による03「フライングソーサー」。
マイケル・フランクスやケニー・ランキンといったミュージシャンに通じるようなメロウな曲で、ティンパン勢の安定したバッキングに、佐藤奈々子と岩沢幸矢&二弓のコーラスが彩りを添えている。
個人的な印象では、こういうメロウな曲でこそ、小坂忠のシンガーの魅力が存分に発揮されるのかな、と思っている。
自分が「ほうろう」よりも「気まぐれ天使」を聞く機会が多いのは、そういう想いの現れなのかもしれない。

メロウな曲と言う点で言えば、「早起きの青い街」も見逃せない。
南佳孝のペンによる1曲で、いかにも南佳孝というようなメロディーラインと、4リズムを中心にしたシンプルなバッキングが、小坂のボーカルとメロディーの良さを浮き立たせている。
タイムファイブによるコーラスも、メロウな雰囲気を作るのに一役買っている1曲。

01「ボンボヤージ波止場」は、「ほうろう」に収録されたのセルフリメイク。
ビブラフォンをフィーチャーするなどして、オリジナルよりモダンな雰囲気に変貌している。
02「港に架かる橋」は、当時の細野晴臣のトロピカル路線の影響を受けたようなレゲエのリズムのポップナンバー。雰囲気的には久保田麻琴と夕焼け楽団に近い感じ。
鈴木茂のスライドギターが、バッキングを渋く彩る。
細野作曲の04「アイスクリームショップガール」は、リラックスした雰囲気のポップナンバー。
05「朝は好きかい」は、曲は小坂自身で、編曲が細野晴臣。
楽曲はポップな仕上がりにも関わらず、どことなくヒネたリズムを持ち込んでいる当たりが、いかにも当時の細野晴臣というような雰囲気を感じる。
吉川忠英作曲の07「シルクランデブー」は、ウクレレやマンドリンなどがフィーチャーされた1曲。
小坂のボーカルも、まるでハワイアンでも歌っているかのような唄い方で、なかなか面白い。
08「フォーカスラブ」は、キャッチーなメロディーが魅力的なナンバー。
「ポップス」と言う事を考えると、このアルバムで一番のナンバーではないかな?
09「一人じゃないよ」は、小坂自身の多重コーラスによるアカペラナンバー。
コーラスとハンドクラップだけというシンプルなバッキングから、その後はゴスペルに活動の場を移す萌芽を感じるのは自分だけではあるまい。
10「上を向いて歩こう」は、言わずと知れた坂本九の代表作。
編曲が細野晴臣ということで、少しトロピカル路線の混じったアレンジではあるけれども、小坂忠と言うシンガーの声に、非常にマッチしたメロディーラインにハッとする。

この頃の小坂忠は、個人事務所の設立とともにホームスタジオを作り、この「モーニング」というアルバムも、そのホームスタジオでレコーディングされた、ということ。
アルバム全体に流れるアットホームな雰囲気は、そういったレコーディングの空気が、そのまま作品に反映されたものと考えるのも自然かもしれない。

そして小坂忠は、この作品を発表した後、ゴスペルシンガーとして活動の場を移し、ポップフィールドでの活動は2001年の「People」を待つ事になる。
そう考えると、ある意味で「モーニング」と言う作品は、ポップシンガーとしての小坂忠の総決算と言うアルバムだったのかもしれない。


【収録曲】
01. ボンボヤージ波止場
02. 港に架かる橋
03. フライングソーサー
04. アイスクリームショップガール
05. 朝は好きかい
06. 早起きの青い街
07. シルクランデブー
08. フォーカスラブ
09. 一人じゃないよ
10. 上を向いて歩こう
posted by あれ at 23:35| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 70's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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