2006年07月02日

森高千里「今年の夏はモア・ベター」

森高千里「今年の夏はモア・ベター」アイドルのサマー・アルバムを続けて紹介したので、今日はそんなアルバムの中で変わり種の1枚、森高千里の「今年の夏はモア・ベター」をご紹介。

細野晴臣プロデュースによる異色のアルバムで、98年発表の作品。
このアルバム、森高千里のアルバム、と言うよりも、細野晴臣のソロアルバムに、森高がゲストボーカルとして参加した、と言うような趣きで、いわゆるトロピカル3部作を、90年代型ポップスとして甦らせた雰囲気を感じる1枚。
当時、CMで共演したのをきっかけにして、森高サイドのスタッフがプロデュースを依頼した所、細野さんが快諾して、このような企画が実現したと言う。

やはり、細野関連のカバーが、2曲収録されているのが、一つの聞き所。
01「東京ラッシュ」は、元々は「はらいそ」に収録の細野ナンバー。
オリジナルよりもアップテンポにアレンジされて、軽快な印象を残す好カバー。
細野さん本人もボーカルとして参加して、森高とデュエットしてます。
05「風来坊」は、はっぴいえんどのカバー。
オリジナルのフォーキーなノリは姿を消して、ほんのりトロピカルに味つけされた、軽快なリズムのポップナンバーへ変貌。こちらのカバーも、自分は好きです。

そう言った細野カバーだけでなく、他の曲も良い曲が揃っています。
02「夏の海」は、アルバム「Rock Alive」収録曲の再録バージョン。
オリジナルからかなりアレンジを変更して、60年代のサーフィンサウンドを下敷きにしたようなバージョンに仕上げているのは、さすがは細野晴臣と感じる。
03「Hey! 犬」は、オリエンタルでポップなアレンジに、森高らしい風変わりな歌詞がのるナンバー。
コシミハルの作曲の04「ア・ビアント」は、細野+コシミハルのユニット、スウィング・スローに通じるような雰囲気の1曲。
そして、個人的にはこのアルバムで一番好きな07「カリプソの娘」。
森高自らが叩くスティール・パンの音色が心地良い、ゆったりしたリズムの曲。
08「ミラクルライト」は、ブギウギのリズムがイイ感じのポップナンバー。
05「ビーチ・パーティー」09「ミラクルウーマン」といったインストも、細野晴臣独特のオリエンタルでトロピカルなイメージを、上手くポップスに昇華させた感じがする曲で、聞き所の一つ。

それまでの森高のアルバムの流れから逸脱したアルバムではあるけれど、細野ファンからしてみれば、90年代の「はらいそ」的な聞き方も出来る1枚(「はらいそ」の最後でも、「この次はモア・ベターよ」と細野さんも言っていることですし……)。
いわゆる「トロピカル3部作」よりも、ポップで取っ付きやすいアルバムなので、個人的には、暑い日が続くと自然と聞きたくなるアルバムだったりします。


【収録曲】
01. 東京ラッシュ
02. 夏の海
03. Hey! 犬
04. ア・ビアント
05. 風来坊
06. ビーチ・パーティ
07. カリプソの娘
08. ミラクルライト (Twist Version)
09. ミラクルウーマン (Vinyl Version)
posted by あれ at 01:57| Comment(1) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月28日

ブレッド&バター「BB★C」

ブレッド&バター「BB★C」ブレッド&バターが98年に発表したアルバム「BB★C」。
プロデュースに、カーネーションの直枝政太郎、棚谷祐一を迎え、バンドサウンドを前面に押し出したポップでファンキーな1枚。
バックの演奏を固めるのも、もちろんカーネーションの面々で、アルバムのタイトルも「Bread&Butter ★ Carnation」と言うことで付けられたと言うこと。

やはり、01「PINK SHADOW」がベストトラック。
山下達郎がライヴ盤「IT'S A POPPIN' TIME」でカバーしていることでも有名な曲だけれども、達郎のバージョンとはまた違った形で、ファンキーな味つけがしてあってカッコイイ。
達郎のバージョンよりも、比較的オリジナルに近いアレンジではあるけれど、カーネーションとのコラボレーションで、よりロック寄りに、よりファンキーに変貌。
間奏のスライドギターも、なかなかハマってる。

「PINK SHADOW」と同じく「Barbecue」に収録されていた「地下鉄」と「魔術」、「Mahae」収録の「DEVIL WOMAN」のリメイクも収録(「魔術」は「MAGIC」と改題)。
06「地下鉄」の基本的なアレンジは、オリジナルとほぼ同じなのだけれども、バンド然とした音作りが、オリジナルよりも骨太な印象を残してカッコイイ。
07「MAGIC」は、ちょっとリズムに味をつけすぎているようで(少しサイケっぽい気もする)、こっちはオリジナルの方が好きだったかな。
04「DEVIL WOMAN」は、オリジナルのファンキーな印象は残しながらも、AOR風にリメイク。

その他の曲では、作詞・作曲に直枝が参加している02「DOLPHIN」も、かなりイイ。
カーネーションのような音作りで、カーネーションが好きな人は結構ハマるかも(所々を直枝がボーカルを取っている)。
それから、スティーヴィー・ワンダーのカバー03「REMEMBER MY LOVE」も、ハネたリズムが心地良い1曲。
この曲の音作りも、カーネーションっぽさを随所に感じる。
田村玄一のペダルスティールを全面的にフィーチャーしている05「いつから」は、かつてのフォーキーな雰囲気のブレバタを思い起こさせる。

ブレッド&バターというと、その時代、その時代に合わせて、過去作のリメイクをしている印象があるけれども、このアルバムは、カーネーションとのコラボレーションによって「ロック」の方面に針が振れているアルバムかな。
オリジナル・アレンジにこだわりがある人も居るかもしれないけれど、このアルバムはこのアルバムで、骨太のアレンジで非常にカッコイイ。
最近、初期ばかりに評価が集まってる印象があるけれど、今も現役のグループなのだから、最近の活動にも目を向けて欲しいなぁ、と感じる今日この頃。


【収録曲】
01. PINK SHADOW
02. DOLPHIN
03. REMEMBER MY LOVE
04. DEVIL WOMAN
05. いつから
06. 地下鉄
07. MAGIC
08. ENDLESS STREAM
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2006年05月27日

中島ちあき「Girl's Life」

中島ちあき「Girl's Life」今回は、中島ちあきのミニアルバム「Girl's Life」をご紹介。
あまり知られていないシンガーかもしれないけれども、自分はそこそこ好きなシンガーです。
簡単に説明すると、中島ちあきと言う人は、98年にシンガーとしてデビューし、シングル3枚、ミニアルバム2枚、アルバム1枚を残した以後、歌手活動は凍結してる模様(その後、女優業をしていたらしいが、詳細は不明)。

このミニアルバム、サウンド・プロデュースが安部恭弘ということで(クレジットの表記は安部泰弘)、音作りに関しては手堅い出来。
しかも、エグゼクティブ・プロデューサーに、初期の竹内まりやのプロデュースを手がけていた、牧村憲一が名前を連ねていて、そんな点からも「あの頃の」シティポップのテイストを90年代に甦らせた作品、と言ってもいいのかもしれない。

そんなミニアルバムの中で、自分的には、一番聞き所だと思ってるのが、竹内まりやのカバーの03「五線紙」。
オリジナルは、竹内まりやの3rdアルバム「Love Songs」に収録されている曲。
元の曲がいいと言うのもあるけれど、シンプルなポップソングに、中島ちあきの湿り気を帯びながらも、ちょっとキュートな雰囲気のボーカルが、なかなかイイ感じ。
余談になるが、この「五線紙」って曲、安部恭弘自身も「Passage」というアルバムでカバーしていたりするので、思い入れのある曲なのかもしれない。
松本隆の歌詞もいいし、やっぱり名曲であるし、愛着が湧くのも分かる。

02「Moonshine Serenade」は、なかなか良い感じの3連系のポップバラード。
途中、語りの部分があるのは、吉田美奈子(シリア・ポール)の「夢で逢えたら」へのオマージュだったりするのかな?
この曲もサウンド的には、初期の竹内まりやに通じる部分があるように思う。
04「LOVE」は、ピアノをバックに唄われる、シンプルなバラード。
ストリングスをフィーチャーしているけれども、大仰なアレンジにならず、歌にそっと寄り添うような形で曲を支えているのに好感が持てる。

そんな感じで、結構好きなシンガーであるのだけれど、1stアルバムの「Radio Days」が、なかなか見つからない……。
やっぱり、こういう「埋もれたシティポップ」を発掘するのは、結構骨が折れる作業なのかもしれない。
発売当時に、この手の音楽にハマっていたら、何の苦労もなく手に入れられたんだろうけど……。
今さらそんな事を思っても後の祭りなので、地道に中古盤屋をチェックします……。


【収録曲】
01. Back To Tomorrow
02. Moonshine Serenade
03. 五線紙
04. Love
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2006年05月19日

ザ・シャムロック「five - 僕がいた夏」

ザ・シャムロック「five-ぼくがいた夏」高橋一路と山森正之の二人によるユニット、ザ・シャムロック。
彼らが、ポニーキャニオンに残した最後のシングルが、この「five-僕がいた夏」。
シングルでしかリリースされていない楽曲だけれど、自分の中ではかなりのキラーチューン。

このシングルは、タイトルチューンである「five-僕がいた夏」が、本当に素晴らしい。
フルートをフィーチャーしたイントロ、ポップで爽やかなメロディー、軽やかにドライヴするベースライン、何度聞いても飽きがこない、初期シャムロックの集大成と言える1曲。
このシングルをリリース後、EPIC ソニーに移籍し、アシッド・ジャズ的なナンバーを連発する彼らだけれど、そう言う雰囲気を漂わせながらも、シティポップ風の軽やかな曲に仕上げている点にも好感が持てる。
移籍後は、その音楽のスタイルから、スタイル・カウンシルを引き合いに出されることが多かったけれど、言われてみれば、この「five-僕がいた夏」と言う曲も、「My Ever Changing Moods」や「A Solid Bond In Your Heart」などのスタカンのポップサイドに通じるものがある。

カップリングは、吉田美奈子が作詞を手がけた「微笑みの瞬間」。
ボーカルをとった、ジェフ(山森の愛称)らしい、ちょっとノスタルジーを感じさせてくれるポップソング。
シャムロック解散後に、バブルガムポップバンド、オレンジズを結成するジェフならでは、と言ってもいい出来映え。

このシングルリリース後、レコード会社を移籍し、2枚のアルバムを残して解散してしまう彼らだが、この対照的な雰囲気の2曲を聴くと、それも納得する。
高橋が、ジャズやソウルの要素を取り入れたシークレット・クルーズを立ち上げ、山森が、バブルガムポップや70年代の歌謡曲を取り入れたオレンジズを結成するのも、必然だったのだろう。

それにしても、「five」がシングルのみのリリースというのは、かなり残念。
自分も、中古盤屋を長年探し歩いてようやく手に入れられたものだったし(アルバムは比較的よく見かけるのだけど)。
ポニーキャニオン&EPICソニーのシングルだけを集めたベスト盤とかリリースされたりしないかなぁ……してくれたら最高なんだけれど。
こんないい曲を埋もれさせておく手はないと思うけどなぁ………。


【収録曲】
01. five - 僕がいた夏
02. 微笑みの瞬間
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2006年05月18日

飯島真理「For Lovers Only」

飯島真理「For Lovers Only」飯島真理、90年発表の5曲入りミニアルバム「For Lovers Only」。
カバー4曲とオリジナル1曲で構成されたミニアルバムで、普通にAORのアルバムとして聞いても全く問題ない、メロウな雰囲気に満ちたアルバムです。
ジャケットにも本人の写真が使われてないし、全編英語で唄われているアルバムなので、パッと聞いただけでは、洋楽に感じるかも?
プロデュースは、ジェームス・スチューダーと飯島真理との共同プロデュース。

最初、トッド・ラングレンの「Can We Still Be Friends」のカバーが収録されてると言う事で、興味を持ったのだけれど、期待した以上にアルバムの出来自体が良かった。
自分の中では、ポップな楽曲の印象が強かった飯島真理の印象を、少なからず変えたアルバム。

オープニングを飾るのは、ペイジズのカバー01「Who's Right, Who's Wrong」。
オリジナルを聞いた事ないのに、こういう事を書くのは何ですが、この曲が自分的にはベストトラックかな。L.A.発のAORと言う雰囲気がいい。
メロディーはもちろん、ギターのフレーズ、フェンダー・ローズの音色、どれを取ってもアーバンでメロウな雰囲気を作り出していて、単純に聞いてて気持ちいい曲。

唯一のオリジナルである04「I Can Never Say Good-Bye」も、なかなかの出来。
メロウな楽曲、という点では、このアルバムの中では01に続いてかなりイイ雰囲気。

02「The Thing We Do For Love」は、オリジナルがちょっと前にCMでも使われていた10ccのカバー。
オリジナルの雰囲気を忠実に守りつつも、女性ボーカルになっている事で、印象が柔らかくなったかな。
トッド・ラングレンのカバー、03「Can We Still Be Friends」は、やっぱりトッド好きな自分にとっては、オリジナル方がいいかな……。
かと言って、出来が悪い訳ではなく、比較的オーソドックスにカバーしてる部分も好感が持てる曲。

ただ、アルバムラストのビートルズのカバー、05「Hold Me Tight」は、どうなんだろう……。
悪くないけど、前4曲のメロウな流れを壊してる感じはしなくもない1曲。
ビートルズなら「Good Night」や「Blackbird」あたりをAOR風にカバーした方が雰囲気的には良かったんじゃないかな、なんて思ったり……。
このアルバムに入ってなければ、ポップでイイ感じのカバーではあるんだろうけど。

とは言っても、01「Who's Right, Who's Wrong」04「I Can Never Say Good-Bye」の2曲だけでも、このアルバムは二重丸。
そういうワケでも、メロウな音楽が好きな人には、たまらないアルバムであると思います。


【収録曲】
01. Who's Right, Who's Wrong
02. The Things We Do For Love
03. Can We Still Be Friends
04. I Can Never Say Good-Bye
05. Hold Me Tight
posted by あれ at 00:03| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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