2006年11月09日

五島良子「The Musical Chimes」

五島良子「Musical Chimes」五島良子が97年にリリースしたアルバム「The Musical Chimes」。
以前に「Decade To Date」を紹介したけれども、このアルバムも「Decade To Date」と同じようなジャパニーズ・フリーソウルと呼べそうな路線のアルバム。
アレンジには、五島本人の他に青山陽一と森田浩司が参加している。

このアルバムのハイライトは、何と言ってもオープニングを飾る01「Swingin' the Swing」だろう。
ファンキー&ソウルフルなナンバーで、ワウを効かせたギターとフェンダー・ローズの音色が、70年代ニューソウル的なフィーリングを感じさせてくれる1曲。
そう言うアレンジにも関わらず、メロディーのポップさのおかげで、重たくならずにファンキーでありポップである曲に仕上げているのが、個人的には非常に好感が持てる所。
某ガイド本でも、この曲をフィチャーしたレビューが書かれていたのも納得できる。

その01「Swing〜」と対をなしそうなのが08「声-Voice-」。
フェンダー・ローズの音色が印象的なメロウ・グルーヴな曲で、爽やかなメロディーながらもグルーヴ感溢れるバッキングは、非常に心地いい。
こういう曲でのゴシちゃんのボーカルは、とても魅力的だと思う。

そして、バラード・ナンバー09「Blue Bird」も、聞き所の一つ。
フェンダー・ローズがバッキングの中心で、そこに4リズムとストリングスが重なり合って、優しげなメロディーを盛り上げる。
アルバムのラストを飾るにふさわしい曲と言えるナンバー。

02「裸身で踊る」は、アコギのカッティングがグルーヴィーでカッコイイ1曲。
03「Pickly Pears」は、ワウをかけたギターと重ためなベースラインが独特なグルーヴを作り出している曲。
05「First Light」は、ローズの音色が印象的なメロウ・グルーヴなナンバー。
この曲のちょっとゴシちゃんの唄い方は、ちょっと粘り気が強い気はするけれども。
06「Setting out the Bright Journey to Another Wishful Star, Today」は、青山陽一がアレンジ&ギターで参加。
ソウルフルな雰囲気はきちんと残しながらも、他の曲に比べてポップなアプローチ。
07「ベッド」も青山陽一がアレンジ&ギターで参加。
アコースティックギターが中心のバッキングで、アコースティック・ソウルとでも呼べそうな雰囲気の1曲。

レビューを書くにあたって、改めてこのアルバムを紐解いてみたけれども、この時期の五島良子に対して、ミニー・リパートンの名前が引き合いに出されるのも分かる気がする。
実際に「Lovin' You」をカバーしていたり、高いオクターヴを誇るボーカルも共通点の一つだろうけれども、そのサウンドのアプローチにも近いものを感じる。
そんな感じで、70年代のソウルが好きな人なら、多分気に入るであろう1枚。


【収録曲】
01. Swingin' The Swing
02. 裸足で跳ねる
03. Picky Pears
04. Short Cut
05. First Light
06. Setting out the Bright Journey to Another Wishful Star, Today
07. ベッド
08. 声 -Voice
09. Blue Bird
posted by あれ at 02:21| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月24日

渡辺満里奈「Ring-a-Bell」

渡辺満里奈「Ring-a-Bell」この10月に歌手デビュー20周年を迎えた渡辺満里奈。
そんな20周年を記念して、今年の12月にはCD11枚+DVD4枚という全15枚と言うボリュームのボックスセットがリリースされる
15年来のファンである自分のような人間は、このボックスをきっかけに「歌手・渡辺満里奈」の再評価がされたらいいなぁと思う今日この頃。

そんなワケで、今回は渡辺満里奈が96年に発表した6曲入りのミニアルバム「Ring-a-Bell」をご紹介。
ご存知の方も多いと思いますが、このアルバムのプロデュースは、かの大瀧詠一。
曲ごとに参加ミュージシャンはクレジットされていないものの、プロデューサー・大瀧詠一の人脈なのか、かなり豪華な布陣。
主な所をあげると、鈴木茂(G)、村松邦男(G)、吉川忠英(A.G)、徳武弘文(A.G)、井上鑑(Key)、長岡道夫(B)、青山純(Dr)、浜口茂外也(Per)、杉真理(Cho)、ウルフルズ(Cho)などなど。
エンジニアも吉田保だったりして「ナイアガラ・サウンド」を支える人たちが一堂に会した雰囲気も感じる1枚。
そんなことからも、個人的には、シリア・ポールの「夢で逢えたら」の90年代版だと思って聞いてる時期もありました。

そんなアルバムの自分的なハイライトは、佐野元春が曲を提供した03「ダンスが終わる前に」。
この曲は、リリース当時から、本当に好きで好きでたまらない曲だった。
佐野元春の優しげなメロディーが魅力的なのはもちろん、そんなメロディーを包み込む井上鑑のアレンジによるストリングスが、まさに「ナイアガラ・サウンド」の再来。
佐野元春による歌詞も、胸がキューンとくるようなロマンティシズムにあふれた素敵な歌詞で、特に「くちづけはいらない 変わらない約束だけでいいの」と言うフレーズには、どれだけ胸をときめかせていた事か!
ちなみに、佐野自身もシングル「ヤァ!ソウルボーイ」のカップリングとしてカバーしていて、アーシーなアメリカン・ロックな手触りで、こちらはこちらで違った味がある。

01「金曜日のウソつき」は、満里奈のラップというか、おしゃべりを曲の中心もってきた、パーティーソング。
音楽評論家の萩原健太の曲&アレンジで、ウルフルズの「お友達参加」コーラスもパーティー風な雰囲気を盛り上げてくれる。
02「ばっちりキスしましょ」は、オールディーズの「Tonight Belong To Me」の日本語カバー。
ちなみに「Tonight Belong To Me」は、シリア・ポールの「夢で逢えたら」でもカバーされてます。ここら辺も、自分が「夢で逢えたら in 90's」と思った原因の一つだったりするのかもしれません。
04「約束の場所まで」は、しっとりとして優しげなメロディーラインを持った曲で、アレンジには杉真理が参加(嶋田陽一との共同クレジット)。
平井夏美の書いた優しげなメロディーを、しっとりと歌い上げる満里奈も、また魅力的。
05「あなたから遠くへ」は、かつて細野晴臣がプロデュースを手がけた、金延幸子のカバー曲。
オリジナルはフォーク色が強い雰囲気だったのを、ボサノヴァ風のギターと、井上鑑アレンジによるストリングスを全面的にフィーチャーして、新たな曲に生まれ変わっている。
06「うれしい予感」は、アニメ「ちびまる子ちゃん」のオープニングでも使われていた曲。
いかにも「ナイアガラ・サウンド」な雰囲気の曲で、満里奈ファン&大瀧ファンでもあった自分としては、初めて聞いた時には「涙が止まらない」と言う表現がピッタリくるような曲だった。

結局6曲入りのミニアルバムとして発表されたのだけれど、このアルバムには数々のお蔵入りのトラックがあると言う噂が……。
今回のボックスにも、そういった曲の収録は伝えられていないけれども、その曲たちは、ソニーの倉庫に眠っていたりするのだろうか……?
今年は「Ring-a-Bell」のリリースから丁度10年だったワケだし、「Ring-A-Bell 10th Anniversary Edition」とか言って、今回のボックスに未発表曲満載のボーナスディスクをつけてくれてもよかったんじゃない……?


【収録曲】
01. 金曜日のウソつき
02. ばっちりキスしましょ
03. ダンスが終る前に
04. 約束の場所まで
05. あなたから遠くへ
06. うれしい予感(アルバム・バージョン)
posted by あれ at 02:32| Comment(0) | TrackBack(1) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月22日

野田幹子「CUTE」

野田幹子「CUTE」今回紹介するのは、野田幹子の92年リリースの9枚目のアルバム「CUTE」。
自分は、この人の音を同時代的に聞いていた記憶は全くないのだけれども、2〜3年前にビーチボーイズのカバーが収録されている「Winter Couples」と言うアルバムを聞いてから、何となく好きなシンガーの一人。

この野田幹子、初期は岡田徹や渚十吾、鈴木智文らがプロデュースしていて、ムーンライダース系の流れでの評価も高いらしい。
このアルバムではライダース人脈の参加はなく、鳥山雄司や佐藤博、崩場将夫(岩崎元是&WINDYのサポートをやっていた人らしい)らをアレンジャーに迎え、なかなかイイ感じのポップアルバムを展開している。
バックを固めるのも、鳥山雄司(G)、佐藤博(Key)はもちろん、今剛(G)、青山純(Dr)、木戸やすひろ(Cho)、ラジ(Cho)、坪倉唯子(Cho)ら、シティポップ系ではお馴染みのミュージシャンたちが参加。

自分が特に気に入った曲は、06「オートバイと風とあなたと」。
初期の角松敏生のリゾート風な雰囲気を女性向きにシフトさせたような(?)爽快感あふれるメロディーとアレンジが心地よい1曲。
さすがは、岩崎元是&WINDYのサポート・キーボーディストだった崩場将夫、といった感じか。

鳥山雄司がアレンジを担当した01「駆けてみよう」は、アルバムのオープニングにふさわしい爽やかに弾けるポップナンバー。
ブラスのアレンジにスウィングアウトシスター的な雰囲気も感じるが、そういうサウンドと野田幹子のボーカルとの相性がマッチしていて、かなりイイ感じ。
02「彼のハートは夏でした」は、先行シングルとなった曲。
01「駆けてみよう」と同系統のポップソングで、シングルになったのもうなづける。アレンジは佐藤博。
続く03「この駅から」は、mayumiの作曲によるAOR風のナンバー。
アレンジは佐藤博で、彼の諸作に通じる雰囲気を持った曲。佐藤自身によるエレピのソロが、なかなかイイ。
04「最後の恋になるかもしれない」は、作曲:崩場将夫、編曲:鳥山雄司のシャッフルビートのポップナンバー。
05「バスルームでランチ」は、佐藤博による作・編曲。
いかにも佐藤博なメロディーとアレンジは、なんとなく佐藤本人が唄った方がハマるのではないかな、とも思えるブラコン(死語だな……)ノリな1曲。
07「賛美歌に包まれて」は、タイトルにも象徴されるような厳かな雰囲気のバラード曲。
08「Sugar Sugar」は、鳥山雄司が曲とアレンジを担当。
ポップな楽曲ながら、鳥山によるギターのカッティングや坪倉唯子やラジのファンキーなコーラスがカッコイイ。
09「My Brand-new Days」は、落ち着いたリゾートサウンド風の曲。
mayumi作曲のメロディーに、崩場将夫がほんのりとラテンの風味を効かせたアレンジで味付けしている。
10「Afternoon Tea」は、佐藤博のアレンジによる落ち着いた雰囲気のポップナンバー。
12「Sunsetはまあるい気持ち」は、佐藤博のアレンジに今剛のギター・カッティングが映える1曲。

アルバム通して聞いてみると、ポップな楽曲あり、落ち着いた雰囲気の曲あり、リゾート風からブラコン風まで、バラエティに富んだ曲調の曲が並んでいるけれども、1枚のアルバムとしてはきちんとまとまっているような雰囲気。
どことなく、角松敏生や林哲司のようなサウンド・メイクを感じる曲もあったりして、そこら辺のシティポップ好きの人にも十分に受け入れられる作品なのでは?
いわゆるキラーチューンと呼ばれるような曲は収録されてはいないけれども、アルバムを通して聞くと、平均点はかなり高いアルバムなのかな、と思える1枚。


【収録曲】
01. 駆けてみよう
02. 彼のハートは夏でした
03. この駅から
04. 最後の恋になるかもしれない
05. バスルームでランチ
06. オートバイと風とあなたと
07. 賛美歌に包まれて
08. Sugar Sugar
09. My Brand-new Days
10. Afternoon Tea
11. ハンパな気持ちで恋しちゃいけない
12. Sunsetはまあるい気持ち
posted by あれ at 01:05| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月16日

永作博美「Here and Now」

永作博美「Here and Now」以前、美勇伝のシングルを取り上げたけれども、アイドルといえどもジャパニーズ・ポップスのファンとしての自分の心をとらえて離さない曲と言うのは、かなりある。
この永作博美の2ndソロアルバム「Here And Now」も、そんな曲が収録されている1枚。

永作と言うと、今ではすっかり女優さんになってしまって、その歌声を聴く事はなくなってしまったけれども、個人的には、結構好きな女性シンガーの一人だったりする。
このアルバムも、現在は東京事変のベーシストとして知られる、亀田誠治の手堅いサウンド・プロデュースの元、なかなかのポップアルバムを展開している。

中でも、このアルバムで自分的にキラーチューンだと思えるのは、シンプルなボサノヴァに直球勝負で挑んだ06「恋と微笑みと花」というナンバー。
吉川忠英によるアコースティック・ギターをバックに、優しげでポップなメロディを唄う永作のボーカルが、かなり魅力的。
この曲の作詞・作曲は、以前1st「STYLE」や、ボサノヴァ・ユニット、ケルカンなどを紹介した木村恵子。
木村恵子がケルカンで聞かせていた世界観を、そのまま永作が受け継いだような雰囲気が、非常に心地よい。

他には、打ち込みのリズムとボッサを組み合わせた02「Drivin'」もなかなかのポップチューン。
アコースティックギターのカッティングをバックにした、ポップで爽やかなメロディーの1曲。タイトル通り、まさにドライブでもしながら夏の海辺を疾走すると気持ちよさそう。
ちなみに、この曲のアコースティックギターは、吉川忠英と小倉博和(山弦)という二人の名手によるもの。
久保田洋司が作曲した03「エアメイル」は、ミディアムテンポのしっとりとした曲で、優しげに歌う永作のボーカルが、なかなか心地良い。
その昔、THE東南西北というグループで、メロディーメーカーぶりを発揮していた久保田ならではの曲と言えるかも。
09「天使が胸に降りる時」は、ハープや鐘の音を中心としたアンサンブルが、これから冬に向けての季節にピッタリであるような雰囲気。
L⇔Rの黒沢健一による04「Without You」も収録されているけれど、健一の曲ならば、1stアルバム「N」に収録された「My Home Town」の方が、何倍も好きかな。

いわゆる「J-POP」的な曲も収録されてはいるけれども、このアルバムは06「恋と微笑みと花」に尽きる。
こういうボサノヴァ路線なら、今の永作が唄っても全然違和感ないと思うのだけれど、なにか間違ってアルバムをリリースしたりしないものかな?


【収録曲】
01. Feel Me
02. Drivin'
03. エアメイル
04. Without You
05. 信じさせて下さい
06. 恋と微笑みと花
07. 逢いにきて
08. このままでもう少し
09. 天使が胸に降りる時
posted by あれ at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

中山美穂「Olive」

中山美穂「Olive」先日紹介した五島良子が曲を提供していると言うので興味を持った中山美穂の98年発表のアルバム「Olive」。
全く期待しないで聞いてみたのだけれど、予想に反してかなり良いアルバムだった。
フリーソウル的な曲もあり、ボサノヴァあり、埋もれさせておくには、もったいないアルバムかな、と思ったので今回ピックアップ。

まず、自分が興味を引かれたのは、アルバムのオープニング01「NAME」。
五島良子が提供した曲で、五島のアルバム「Decade To Date」では、五島自身が唄っているナンバー。
ソウルフルに歌い上げる五島バージョンよりも、ボーカルがソフトになった分、メロウな雰囲気がアップ。
ギター以外は打ち込みのようだが、それを感じさせないグルーヴ感が心地良い、ジャパニーズ・フリーソウルな1曲。

そして、続く02「Fiance 〜あなたのok わたしのyes」は、グルーヴィーなギターのカッティングで始まる、初期の角松敏生などにも通じるリゾートな雰囲気の1曲。
実際、中山美穂は、角松敏生のプロデュースでアルバムもリリースしている(自分は未聴)。
ブラスやフルートが爽やかな曲調に彩りを添えている。

他に、ボサノヴァを導入した09「Talk to 彼の匂い」、10「MISS YOU」もなかなか。
09「Talk To 彼の匂い」は、打ち込みのリズムの軽めのボサポップ。
一方の10「MISS YOU」は、アンニュイな雰囲気が中山美穂のボーカルとマッチしているシンプルなボサノヴァ。

そして、バラード系の曲も、このアルバムの聞き所一つ。
五島良子作・編曲の05「Oliveの呟き」は、塩谷哲によるフェンダーローズをバックに唄われる、ディープなソウルバラード。
アルバムラストの12「Jasmine 〜しあわせなこころ」は、Cindyが作曲のメロウなバラード。
中山美穂の声とマッチしたメロディーがなかなか聞き応えがある1曲。

他にも、キャッチーなメロディーの06「Baby Pink Moon」08「少年の瞳〜For Knack」、サルサのリズムを持ち込んだポップナンバー07「コワレタ ライム」など、なかなかの佳曲揃い。

スタッフのクレジットを見ると、プロデュースは中山美穂自身。
今まで、中山美穂と言う人に関しては、ほとんど興味など無かったのだが、このアルバムを聞いてみたら、意外と良いシンガーなのかな、と思うようになった。
機会があったら、他のアルバムも聴いてみたいと思う。


【収録曲】
01. NAME
02. Fiance 〜あなたのok わたしのyes〜
03. Labylinth
04. EL NINO
05. Oliveの呟き
06. Baby Pink Moon
07. コワレタ ライム
08. 少年の瞳〜For Knack
09. Talk to 彼の匂い
10. MISS YOU
11. Daddy
12. Jasmine 〜しあわせなこころ
posted by あれ at 16:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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