2006年05月17日

松任谷正隆「夜の旅人」

松任谷正隆「夜の旅人」松任谷正隆が77年に発表したソロアルバム「夜の旅人」。
全ての曲が、作詞・松任谷由実、作曲/編曲・松任谷正隆によるもので、ボーカルを努めるのは、松任谷自身。
細野晴臣、鈴木茂、林立夫らのティンパンアレーを中心にバックを固め、キーボードは当然、松任谷本人。

このアルバムに興味を持ったきっかけは、ティンパンアレーの1stアルバム「キャラメル・ママ」に収録されていた「月にてらされて」と言う曲。
この曲でボーカルを取っている松任谷が、決して上手ではないのだけれど、なんとも言えない、いい味を出していて、かなり好きな曲になり、その他のボーカル曲も聴いてみたい、と思ったのが最初のきっかけ。

そんなアルバムでありますが、粒ぞろいの曲が全部で9曲。
このアルバムの中で、屈指のポップチューンと言えるのが、08「Hong Kong Night Sight」。
ポップなメロディーが良いのはもちろんですが、ハネるリズムが軽快で心地良い(このベースは細野さんなのかな?)。
後にユーミンが「水の中のASIAへ」でカバーするけれど、個人的にはユーミンのバージョンよりも、こちらの方が断然好き。
正直、ユーミンよりも、正隆のボーカルの方が、この曲にハマってると思います。

シティポップという視点で語るなら、06「気づいたときは遅いもの」は、松任谷なりのAORという雰囲気を感じる1曲。
他にも、オープニングの01「沈黙の時間」は、ストリングスとブラスがゴージャスな雰囲気をちりばめる、爽やかなポップソング。

そう言うポップな曲とともに、静かめな曲も、もちろん魅力がある。
個人的には、アルバムのタイトルチューンである09「夜の旅人」が、一番好きな曲。
マイケル・フランクス風とも言えるシンプルなサウンドに、朴訥に歌う松任谷の歌が味わい深い。
それから、ユーミンの書いた歌詞も、この曲を更に深いものしているように思う。
他にも、大貫妙子とのデュエット02「荒涼」、かまやつひろしに提供した曲のセルフカバー04「霜の降りた朝」なども、聞き所。

ポップな曲も、静かな曲も、どれも松任谷の声質に合っているので、じっくりと聞き込んでも飽きがこない1枚。
やはりユーミンのプロデューサーだけあって、自分の声の特製をうまく掴んで、それに似合う曲を歌ったんだろうな、と言う事も想像がつきます。
「シンガー・松任谷正隆」を気に入っただけかと思っていたら、思わぬ所で「プロデューサー・松任谷正隆」の手腕も知る事になった、という感じでしょうか。
まぁ、そう言う能書きは抜きにして、良いアルバムだと思います。

ちなみに、ジャケットのイラストは、ユーミンの作。僕はなかなか好きな感じの絵です。


【収録曲】
01. 沈黙の時間
02. 荒涼
03. 煙草を消して
04. 霜の降りた朝
05. もう二度と
06. 気づいた時には遅いもの
07. 乗り遅れた男
08. Hong Kong Night Sight
09. 夜の旅人


posted by あれ at 01:16| Comment(4) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 70's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「Hong〜」のボーカルはキュートですね。

自分は、歌唱力では聴かないのでアリです。
Posted by LOVE☆YUYA at 2006年07月02日 18:01
マンタさんでしか出せない「味」のあるボーカルですよね
Posted by Alee at 2006年07月02日 21:42
こんにちは。今、マイケル・フランクスのDown in Brazilを聞いていたら偶然にここのサイトを見つけました。
ユーミンは生理的に全く受け付けないのですが、正隆さんとこのアルバムは別ですね。夫婦であっても所詮は他人。センスの良さまで真似られるものではない。
Posted by 懐石 at 2007年10月16日 16:38
コメントレス遅くなってすいません。
自分も「Down In Brazil」は好きなので、そんな方に訪問していただけると、素直に嬉しく思います。
自分はユーミンも好きですが、マンタさんのこのアルバムは、ユーミンのアルバムでは出せない、独特な雰囲気がありますよね。
自分は男だからか、シンパシーを感じてしまうのは、こっちのアルバムですね、やっぱり。
Posted by あれ at 2007年10月19日 20:52
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