2008年05月10日

黒沢健一「first」

黒沢健一「first」.jpg先日、L⇔Rの2ndアルバム「Laugh+Rough」を取り上げたけれど、今回はそのL⇔Rのボーカル、黒沢健一が98年にリリースした1stソロアルバム「first」をご紹介。

L⇔Rの音楽は、様々なポップスのエッセンスを凝縮したカラフルなポップワールドが展開されていた感じだけれども、この健一の1stソロは、よりオーソドックスに、よりスタンダードに「ポップス」と言うものを真正面で捉えたような雰囲気。
アンサンブルの中心が、ギター、ベース、ドラム、ピアノと言うシンプルな編成になっているあたりが、そう感じる原因なのかな。

プロデュースは、健一とL⇔Rでもアレンジで参加していた遠山裕との共同プロデュース。
参加ミュージシャンは、共同プロデューサーの遠山裕(key)の他に、元キングクリムゾンのトニー・レヴィン(B)や、当時Dr.Strangeloveとして活動していた長田進(G)、根岸孝旨(B)、古田たかし(Dr)、L⇔Rのプロデューサーであった岡井大二(Dr)など。

アコースティックでメロディアスなナンバー01「Oh, Why」で幕を開け、矢継ぎ早に言葉を叩き付けるようなロックナンバー02「Rock'n Roll」へ。
01「Oh, Why」でのフレットレスベース、02「Rock'n Roll」での激しく動き回るベースラインなど、トニー・レヴィンのベースも、アクセントとしてなかなかイイ効果を上げている印象。

05「Mad Man Across The Water」は、黒沢健一のメロディーメーカーとしての凝縮されている1曲。
ピアノとアコースティックギターをバッキングの中心にして、優しげに唄う健一が印象的。
英語で唄われる06「Easy Romance」は、初期イーグルス風とでも言えばいいのか、アメリカン・ロックなテイストの爽やかな印象のポップナンバー。

ビートルズの「I Will」のような曲を作りたかったと言う07「Morning Sun」は、何年経っても自分の中でのベストトラック。
パーカッションとアコースティック・ギターのシンプルな伴奏に、柔らかいボーカルで優しげなメロディーを歌っている雰囲気がとてもいい。
先行シングルとなった08「Wondering」は、メロディーメーカーとしての黒沢健一を十分堪能できるナンバー。
シングルカットされただけあって、この曲がL⇔Rで歌っていた雰囲気に一番近い曲かな?

この作品のあと「B」と「New Voice」というソロアルバムをリリースするけれど、自分的にはこの「first」がソロアルバムとしてはベストかな。
このアルバムのように、メロディーが浮き立つようなシンプルな演奏を聴かせた方が、メロディーメーカーとしての黒沢健一、ボーカリストとしての黒沢健一の魅力が発揮されるように思う。


【収録曲】
01. Oh, Why
02. Rock'n Roll
03. Round Wound
04. Love Love
05. Mad Man Across The Water
06. Easy Romance
07. Morning Sun
08. Wondering
09. Far East Network
10. Really I Wanna Know
11. Rock'n Roll (reprise)
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2008年05月09日

L⇔R「Laugh+Rough」

L⇔R「Laugh+Rough」.jpg自分の中で永遠のエヴァーグリーンとなるバンドと言うのは、音楽好きの人ならば、誰の心にもあると思うけれども、今回紹介するL⇔Rは、自分にとってそう言うバンド。

世間的には「Knockin' On Your Door」のイメージしかないかもしれないが、このグループはあの1曲に集約されているワケではない!と言うのを声を大にして言いたい。
特に初期のポリスター時代のアルバムは、日本のポップス・ファンを自認する人には、一度は聴いてもらいたい名作ばかり。

そんなポリスター時代で自分が一番好きなアルバムが、2ndアルバムの「Laugh + Rough」。
当時のメンバーは、黒沢健一(Vo)黒沢秀樹(G)の黒沢兄弟と、リーダーの木下裕晴(B)に紅一点の嶺川貴子(Key&Vo)を加えた4人。
プロデュースは、元四人囃子のドラムス・岡井大二が手がけ、レコーディングでも自らスティックを握っている。

まず、何年経っても自分の中での「究極のポップ・チューン」である13「(I Wanna) Be With You」。
先行シングルでもあったこの曲は、ポップなメロディーラインが素晴らしいのはもちろん、コーラスやストリングスのラインなど、ポップスとして非の打ち所がない曲。
この曲は、ポップグループとしてのL⇔Rの金字塔であるのは間違いない。

ほかにも、バーズのアルバムからタイトルを引用した02「Younger Than Yesterday」や、エヴァリーブラザーズばりのコーラスを聞かせるアコースティックなナンバー03「Baby Back」なども、L⇔Rのポップサイドを語る上では欠かせない曲。
05「Rights And Dues」のように、ギルバート・オサリバン的な穏やかなメロディーに「Magical Mystery Tour」のようなサイケな味つけした(?)ポップスのエッセンスをギュッと詰め込んだナンバーもある。

そして、嶺川貴子が、ボーカルを初めて披露した06「In My Room」。
ビーチボーイズの同名曲というよりも、「Meant For You」や「Wonderful」などの中期ビーチボーイズの雰囲気を伝えてくれる1曲。
リリース当時、それほど日本では評価が高くなかった中期のビーチボーイズ風の曲を作っていたのは素直に驚く。

そういうポップな曲がある反面、07「What "P" Sez?」や 10「One Is Magic」では、ワイルドなロックンロールを見せるなど、このアルバムでは、L⇔Rと言うグループの多様性を十二分に感じさせてくれる。
ちなみに、08「I Can't Stand It」と04「Pumping '92」と言う2曲は、ビートルズと同時期に活動してたビートグループ、デイヴ・クラーク・ファイヴのカバー。
初のカバー・ソングが、デイヴ・クラーク・ファイヴという点にも、L⇔Rらしさを感じてしまう。

「Laugh So Rough」という曲をイントロとアウトロに使って、トータルアルバムっぽさを作り出しているのも、なかなかイイ演出だし、なんと言ってもどの曲もメロディーがいい。
ジャン・フィリップ・デロームの手によるジャケットもシャレているし、42分と言う短い時間ながらも「アルバム」と言う手触りが感じられるのが素晴らしい。
リリースされてからもう15年もの月日が流れているけれども、未だに色あせない、自分の中でのエヴァーグリーン。
こういういい作品に出会えて、自分は幸せです。


【収録曲】
01. Laugh So Rough
02. Younger Than Yesterday
03. Baby Back
04. Pumping '92
05. Rights And Dues
06. (Too Many Flowers And Mirrors) In My Room
07. What "P" Sez?
08. I Can't Stand It
09. Passin' Through Pt.1
10. One Is Magic (and The Other Is Logic)
11. Passin' Through Pt.2
12. Laugh So Rough (reprise)
13. (I Wanna) Be With You
posted by あれ at 02:25| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月07日

V.A.「SUNNY ROCK - Sunshine Days of 70’s tribute album」

SUUNY ROCK!.jpg今回紹介するのは、ドラマ「Sunshine Days」のサウンドトラック「Sunny Rock!」。

ドラマのサウンドトラックと言っても、このアルバムは70年代のジャパニーズポップスの優れたトリビュート盤と言ってしまっていいだろう。
ドラマの本編は断片的にしか見た事はないけれど、70年代の湘南を舞台にした青春もので、ブレッド&バターの岩沢兄弟の活動をモチーフにして作られたドラマだと言う。
そんな舞台設定もあり、ドラマのBGMとして使われているのが、70年代のジャパニーズポップを現在活動中の若手ミュージシャンがカバーした曲たちで、そのBGMをまとめたのが、この「Sunny Rock!」というアルバム。

最近のトリビュートアルバムと言うと、カバーするミュージシャンのミュージシャン的なエゴが見え隠れして、名カバーも中にはあるけれど、奇をてらった表現が鼻につく事が多くて、個人的にはあまり好きではなかった。
けれども、このアルバムは、プロデューサーをつとめたL⇔Rの黒沢秀樹の手腕なのか、原曲のイメージを崩さないように、シンプルでオーソドックな形でカバーした曲が並ぶ。
カバーされた曲目を見て、ビビッと反応するものがあれば、その人はおそらくこのアルバムは気に入るのではないかな?

個人的に一番気に入ったのは、現在COUCHと言うバンドで活動する平泉光司(元benzo)がカバーした04「Let's Dance Baby」。
山下達郎の原曲の雰囲気を残しながらも、軽快なアレンジがされていて、平泉のボーカルも、いい意味で軽さを携えていて、なかなかイイ感じ。
benzo時代にはシュガーベイブの「雨は手のひらにいっぱい」をカバーしていたし(自分は未聴)、山下達郎のメロディーと平泉のボーカルの相性はいいのかな?

その他には、ママレイド・ラグがカバーした02「ソバカスのある少女」も良かった。
元々はっぴいえんどのフォロワー的な評価は高かったが、そのはっぴいえんどのメンバーだった鈴木茂のナンバーを真っ正面から取り組んでいて、原曲の雰囲気をそのままにカバーしている姿勢も好感が持てる。
櫛引彩香の09「海と少年」(オリジナルは大貫妙子)も、櫛引のボーカルとメロディーの相性もよく、とても気に入っている。
そして、アルバムラストの12「スノーエキスプレス」は、オリジナルをほぼ完コピ。
オリジナルには無かったエレピのソロなども追加されていて、なかなかカッコイイ仕上がり。
というか、この曲を選ぶセンスが単純にスゴイな、って思う。

オリジナルをこのアルバムの曲順に並び替えて聴いた事もあるけれど、改めて選曲のセンスの良さに脱帽。
70年代のジャパニーズポップスのエッセンスを詰め込んだ、見事なコンピレーションとも言えるのでは?
この曲目にピンと来た、オリジナルの曲たちが好きな人も、ぜひとも一聴を。


【収録曲】()内はオリジナル
01. 河原崎亙/ポメラニアンズ&Quinka,with a yawn「Pink Shadow」(ブレッド&バター)
02. ママレイド・ラグ「ソバカスのある少女」(ティンパンアレー)
03. 有里知花「オリビアを聴きながら」(杏里)
04. 平泉光司「Let's Dance Baby」(山下達郎)
05. 柳田久美子「天気雨」(荒井由実)
06. 黒沢秀樹「MAGIC」(ブレッド&バター)
07. ハミング・キッチン「ラスト・ステップ」(吉田美奈子)
08. 黒沢健一「ありがとう」(小坂忠)
09. 櫛引彩香「海と少年」(大貫妙子)
10. sowan song「プールサイド」(南佳孝)
11. YANCY「ハリケーン・ドロシー」(細野晴臣)
12. サンシャインデイズバンド「スノーエキスプレス」(ティンパンアレー)

posted by あれ at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | コンピレーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月05日

メロン記念日「サクラ色の約束」

メロン記念日「アンフォゲッタブル」今回紹介するのは、メロン記念日のシングル「アンフォゲッタブル」のカップリング「サクラ色の約束」。
1年ほど前にリリースされたシングルだけれども、春〜夏にかけて聞きたくなるような爽やかな曲。

この「サクラ色の約束」は、タイトルの「サクラ色」から連想されるような、春先にはピッタリの爽やかな雰囲気の曲で、アコースティックギターのカッティングが心地よいポップナンバー。
アレンジの方向性としては、スタイル・カウンシルや、アズテック・カメラなどの80年代中盤のUKもの(言ってしまえばネオアコっぽい?)に近い手触りのする1曲。
あそこら辺の音が好きな人なら、結構気に入るタイプの曲なのではないかな?

このメロン記念日は、つんく♂プロデュースのハロー!プロジェクトの一員であるけれども、この曲はつんく♂の詞曲ではなく、作詞は海野真司、作曲と編曲は上野浩司という布陣。
参加ミュージシャンのクレジットがないけれど、全編を通して聞かれるアコースティックギターは、この曲の爽やかさを演出するのに一役買っているように思う。

一方のタイトル曲の「アンフォゲッタブル」は、「サクラ色〜」とは対照的にポップで盛り上がるディスコチューン。
楽しげなパーティーソングと言う雰囲気に仕上がっていて、こちらはこちらで魅力がある楽曲。
こういう雑多な多様性がある所が、ハロー!プロジェクトの音楽を聴いていて面白い部分かもしれない。

以前に紹介した美勇伝の曲もそうだけれど、つんく♂関連の作品には、かなりイイ感じのポップソングが多数あるので、色々と自分の感性にあった曲を探して行くのは、かなり楽しい作業かもしれない。

このブログでは、何度も書いてるけれども、アイドルソングといえども、きちんと聞き込んで行けば、評価できる楽曲はたくさんあるのだなぁ、と言うのはスゴク実感する。


【収録曲】
01. アンフォゲッタブル
02. サクラ色の約束
03. アンフォゲッタブル (Instrumental)
posted by あれ at 23:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 00〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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