2006年09月06日

鈴木茂「ニッポンのロック・ギタリスト〜鈴木茂」

鈴木茂「ニッポンのロックギタリスト」日本人ギタリストに焦点をあてたコンピレーションのシリーズ「ニッポンのロック・ギタリスト」の鈴木茂編。
タイトルは、ちと野暮ったいが、内容はすばらしいの一言。

「ギタリスト」を主役にしたコンピだけあって、全曲インストルメンタルで、ギター・プレイヤーとしての鈴木茂を堪能できる1枚。
そして、このアルバムの目玉と言えるのは、79年発表の全編インストルメンタル「White Heat」が全曲収録されている点。
オリジナルは未CD化だったアルバムを、こういう形でも聴けると言うのは素直に嬉しい。

その「White Heat」の曲は、全部で8曲。
曲順はオリジナルに準じてはいないものの、全曲が収録されている。
79年と言う時代とギターインストというジャンルのせいか、どの曲もフュージョンのテイストが漂う。
参加ミュージシャンも、高橋幸宏、後藤次利のサディスティックス勢や、坂本龍一、浜口茂外也などのティンパンアレーファミリー、その他、小原礼やジェイク・H・コンセプションらが参加。

02「Wild Fire」は、浜口茂外也作曲のリゾート風なインストルメンタル。
鈴木の奏でる爽やかなのフレーズのほかにも、リズムを支える高橋幸宏、後藤次利のサディスティックス勢のプレイも聞き所。
03「Los Enamorados」は、イントロからサルサ風のラテンの要素を取り入れた曲。
鈴木茂と言うと、ストラトキャスターのイメージが強いけれど、この曲ではアコースティック・ギターのソロを披露。これが、なかなかカッコイイ。
06「On The Coast」は、作曲が浜口茂外也で、アレンジに坂本龍一が参加したナンバー。
ボーカルにサリータ・エスコバールをフィーチャーしたアーバンな雰囲気が漂うボーカル曲で、CTIジャズやボサノヴァに傾倒していたと言う当時の鈴木の一面が伺える。
ファンキーな鈴木茂も大好きだが、こういったメロウな感じの鈴木茂も、また魅力的。
ちなみに、矢野顕子がキーボードで参加し、ジャジーなソロを聞かせてくれているのも聞き所の一つ。
07「Hot Blooded」は、ストリングスとブラスをフィーチャーしたファンキーなナンバー。
どことなく、大野雄二の書いた曲のような雰囲気が漂う曲で、全面的に鈴木のギターソロをフィーチャー。
08「Moonstruck」は、「Lagoon」あたりの雰囲気にも通じる、ポップな雰囲気のリゾート曲。
スライド・ギターが、いい味を出してます。
10「Staline Melody」は、メロディーメーカー鈴木茂を堪能できる曲かな。
ゆったりとしたテンポで奏でられるメロウ・チューンで、ワウを効かせたギタープレイが、味になっている。
11「City Street」は、ブラスをフィーチャーした、ファンキーなインスト。
これも高橋&後藤のサディスティックス勢がリズム隊で参加し、鈴木のギタープレイはもとより、ファンキーにうねりまくる後藤次利のベースがカッコイイ。
12「Da Doo Love For You」は、鈴木の歌謡曲仕事に一番近い雰囲気かな。
さわやかな印象の曲で、ギターが主役というよりも、ストリングスやピアノを中心としたアンサンブルが主役のようなナンバー。
アレンジャーとしての鈴木茂を好きな人ならば、この曲もおそらく気に入るはず。

「White Heat」以外の曲は4曲収録されていて、やはりカッコイイ曲がそろっている。
オープニングを飾る01「Kennedy Airport」は、オムニバス盤「NEW YORK」に収録されていた曲。
ソリッドなノリの鈴木のギターに、流麗なストリングスが心地よいフュージョン・ナンバー。
このコンピレーションで初めて聞いたが、なかなかカッコイイ曲だった。
04「Brandy Wine」は「Lagoon」に収録のインスト・ナンバー。
サンバ風のリズムの曲で、バックを支えるのは、細野晴臣&林立夫のティンパンアレー勢。
あまりギターはフィーチャーされてないけれど、ラテンのリズムが心地よい1曲。
05「Woodpecker」は名作「Band Wagon」から。
何度聞いても、ファンキーなノリと、鈴木のスライド・ギターがたまらない。
09「Snow Express」は、「Band Wagon」の中でも個人的に大好きな曲。
「Band Wagon」からの曲で、リトル・フィートのリズム隊をバックに、鈴木のファンキーな側面が如実に現れたインストと言えるのでは?

今まで、ソングライターやアレンジャーとして、鈴木茂の仕事を捉えることは多かったけれど、このコンピレーションのおかげで「ギタリスト鈴木茂」を改めて捉え直すことが出来たような気がする。
特に「White Heat」のナンバーを聴いていると、普通にフュージョン・ギタリストとしての鈴木茂の魅力が伝わってきた。
本来なら「White Heat」と言うアルバムで評価をしたいところだけれども、現状で「White Heat」の曲を聴くには、このCDを聞くしかない状況だし、「ギタリスト鈴木茂」を捉えるには、絶好のコンピレーションと言えるのかもしれません。


【収録曲】
01. Kennedy Airport
02. Wild Fire
03. Los Enamorados
04. Brandy Wine
05. Woodpecker
06. On The Coast
07. Hot Blooded
08. Moonstruck
09. Snow Express
10. Starline Melody
11. City Streets
12. Da Doo Love For You
posted by あれ at 02:26| Comment(3) | TrackBack(0) | コンピレーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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