2006年07月03日

五島良子「Decade To Date」

五島良子「Decade To Date」今回紹介するのは、五島良子の2000年発表のアルバム「Decade To Date」。
あまりメジャーではないシンガーのような気もするけど、以前はネスカフェのCMソング「Open Up」を唄っていたり、最近ではChemistryや中島美嘉に曲を提供しているらしいので、何となく名前を目にしたことがある人は多いような気がする。

そんな五島良子ですが、デビュー当初は、爽やかなポップスを唄っていたのだけれど、96年発表の「PIERCED」から、ソウルフルなシンガーへと変貌。
そんなソウル期のアルバムは、どれも素晴らしい作品なのだけれど、なかでも一番好きなアルバムを紹介します。

ジャパニーズ・フリーソウルの傑作03「Full Sail」が収録されているというのが、このアルバムを選んだ理由の一つ。
マーヴィン・ゲイあたりが好きな人にも、十分に受け入れられるであろうメロウなナンバー。
やはりメロディーがいいというのが一番だけれど、ソウルフルな雰囲気を作り上げているバッキングも素晴らしい。
グルーヴィーなパーカッションに、アコースティックギターのカッティング、音の隙き間を埋めるフェンダーローズの音色に、効果的に挟み込まれるフルートの音色、どれをとっても完璧と言ってしまいたい1曲。
コーラスに、平井堅と玲葉奈が参加しているのもある意味で聞き所の一つかも。

そして、03「Full Sail」に負けじと劣らない、フリーソウル・ナンバー05「Name」。
こちらは、ミニー・リパートンあたりを彷彿とさせるナンバーで、センチメンタル・シティ・ロマンスの告井延隆(G)、中野督夫(G)、細井豊(Key)が参加している1曲。
グルーヴィーなギターはもちろん、曲の雰囲気を作り上げているフェンダー・ローズの音色がたまらない。

それから、傑作のバラードと断言してしまっていい、アルバムラストを飾る10「エガオ」。
塩谷哲のフェンダーローズだけをバックに歌い上げている1曲なのだが、シンガーとしての五島良子の魅力を堪能できるし、曲自体もメロディアスで美しい。
ラストに公園で遊ぶ子供たちのざわめきが収録されているけれど、そのざわめきが、この曲に、様々な意味を与えているように感じる。
アルバムのラストを飾る1曲として、本当にふさわしい1曲だと思った。

その他の曲も、一切の捨て曲なしのアルバム。
オープニングは、メランコリックなブルースハープの音色とギターのインストルメンタル01「エガオ-10」。バックに流れる街角のざわめきと共に、なぜかノスタルジーを感じてしまうインスト・ナンバー。
一転して、ソウルフルなギターのフレーズで始まるロックナンバー02「Love Drive」。当時Scudelia Electroだった石田小吉がギターで参加。
04「豹柄とPink」は、打ち込みのリズムをベースにしたミディアム・テンポのソウル・ナンバー。アン・ルイスへの提供曲のセルフ・カバーらしい。
弦楽四重奏をバックに唄う06「RONNIE」は、ボーカリストとしての五島良子の魅力を十分に味わえる1曲。
08「あしたの降るとき」は、アコースティック・ギターをバックの中心にそえたソウルナンバー。アレンジを担当した森田浩司がコーラスで参加。
シャッフル・ビートの08「Lucky」は、明るく楽しげなポップソング。このアルバムの中では、唯一初期のゴシちゃんっぽいナンバーと言えるかな。
石野卓球プロデュースによる09「ツキノハナ」は、アンビエントなテクノナンバーであるけれど、このアルバムの流れに自然にハマっている。

レビューを書くにあたって、改めてこのアルバムを聞いたけど、これはホントに名盤中の名盤。
03「Full Sail」05「Name」10「エガオ」の3曲だけでも、本当に聞く価値のあるアルバムだと思う。
Amazonなんかでは、まだ買えるようなので、色々な人に、是非とも聞いて頂きたい1枚。


【収録曲】
01. エガオ-10
02. Love Drive
03. Full Sail
04. 豹柄とPink
05. Name
06. RONNIE
07. あしたの降るとき
08. Lucky!
09. ツキノハナ
10. エガオ
posted by あれ at 02:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 00〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月02日

森高千里「今年の夏はモア・ベター」

森高千里「今年の夏はモア・ベター」アイドルのサマー・アルバムを続けて紹介したので、今日はそんなアルバムの中で変わり種の1枚、森高千里の「今年の夏はモア・ベター」をご紹介。

細野晴臣プロデュースによる異色のアルバムで、98年発表の作品。
このアルバム、森高千里のアルバム、と言うよりも、細野晴臣のソロアルバムに、森高がゲストボーカルとして参加した、と言うような趣きで、いわゆるトロピカル3部作を、90年代型ポップスとして甦らせた雰囲気を感じる1枚。
当時、CMで共演したのをきっかけにして、森高サイドのスタッフがプロデュースを依頼した所、細野さんが快諾して、このような企画が実現したと言う。

やはり、細野関連のカバーが、2曲収録されているのが、一つの聞き所。
01「東京ラッシュ」は、元々は「はらいそ」に収録の細野ナンバー。
オリジナルよりもアップテンポにアレンジされて、軽快な印象を残す好カバー。
細野さん本人もボーカルとして参加して、森高とデュエットしてます。
05「風来坊」は、はっぴいえんどのカバー。
オリジナルのフォーキーなノリは姿を消して、ほんのりトロピカルに味つけされた、軽快なリズムのポップナンバーへ変貌。こちらのカバーも、自分は好きです。

そう言った細野カバーだけでなく、他の曲も良い曲が揃っています。
02「夏の海」は、アルバム「Rock Alive」収録曲の再録バージョン。
オリジナルからかなりアレンジを変更して、60年代のサーフィンサウンドを下敷きにしたようなバージョンに仕上げているのは、さすがは細野晴臣と感じる。
03「Hey! 犬」は、オリエンタルでポップなアレンジに、森高らしい風変わりな歌詞がのるナンバー。
コシミハルの作曲の04「ア・ビアント」は、細野+コシミハルのユニット、スウィング・スローに通じるような雰囲気の1曲。
そして、個人的にはこのアルバムで一番好きな07「カリプソの娘」。
森高自らが叩くスティール・パンの音色が心地良い、ゆったりしたリズムの曲。
08「ミラクルライト」は、ブギウギのリズムがイイ感じのポップナンバー。
05「ビーチ・パーティー」09「ミラクルウーマン」といったインストも、細野晴臣独特のオリエンタルでトロピカルなイメージを、上手くポップスに昇華させた感じがする曲で、聞き所の一つ。

それまでの森高のアルバムの流れから逸脱したアルバムではあるけれど、細野ファンからしてみれば、90年代の「はらいそ」的な聞き方も出来る1枚(「はらいそ」の最後でも、「この次はモア・ベターよ」と細野さんも言っていることですし……)。
いわゆる「トロピカル3部作」よりも、ポップで取っ付きやすいアルバムなので、個人的には、暑い日が続くと自然と聞きたくなるアルバムだったりします。


【収録曲】
01. 東京ラッシュ
02. 夏の海
03. Hey! 犬
04. ア・ビアント
05. 風来坊
06. ビーチ・パーティ
07. カリプソの娘
08. ミラクルライト (Twist Version)
09. ミラクルウーマン (Vinyl Version)
posted by あれ at 01:57| Comment(1) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 90's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月01日

松田聖子「The 9th Wave」

松田聖子「The 9th Wave」先日の菊池桃子「Ocean Side」に続いて、アイドルポップのサマーアルバムを紹介したいな、と思い、松田聖子の85年発表の「The 9th Wave」をセレクト。
ジャケットは、ちょっと安易な雰囲気ですが(どう見ても合成だし)、内容的には、なかなかの佳曲ぞろいのアルバム。

この作品以前にも、様々なミュージシャンの作品を唄っていた松田聖子だけれども、このアルバムでも執筆陣は豪華。
名前を挙げると、原田真二、吉田美奈子、尾崎亜美、矢野顕子、杉真理、大貫妙子、甲斐よしひろと言った人たち。
そう言った作家陣の音をまとめるのは、全ての曲のアレンジを手がけた大村雅朗。

オープニングを飾る01「Vacancy」は、原田真二作曲のトロピカルな印象の曲。
カリプソ風のリズムを取り入れたアレンジは、このサマーアルバムのオープニングを飾るのにふさわしい1曲。
松田聖子が、シングルっぽい王道を外れた所で、こういうトロピカルな曲をやっていたと言うのは、意外と言えば意外だった。
自分的には、このアルバムのベストトラックと言える。

02「夏のジュエリー」は、松田聖子の王道を行くようなポップチューン。
作詞:吉田美奈子、作曲:大村雅朗と言う組み合わせの曲で、松武秀樹の打ち込みサウンドに、松原正樹のギターが心地いい。
シングルにもなった03「ボーイの季節」は、詞と曲が尾崎亜美による1曲。
ミディアム・テンポのメロディアスな曲で、コーラスに尾崎亜美自身が参加している。
杉真理作曲の07「さざなみウェディングロード」は、杉のソロ作にも通じるポップナンバー。
「ナイアガラ・トライアングル vol.2」に収録された、「夢見る渚」などの雰囲気に近い曲と言えるかな。
そして、松田聖子の代表曲の一つと言える08「天使のウィンク」。
03「ボーイの季節」と同じく、尾崎亜美による作詞、作曲のシングル曲だけれど、03「ボーイの季節」が「静」なら、こちらは「動」と言うような雰囲気のポップナンバー。
こういう形の松田聖子のシングルの王道のナンバーは、何も言うこと無い。
09「ティーン・エイジ」は、作詞:吉田美奈子、作曲:大貫妙子という、面白い顔合わせの曲。
80年代中期の大貫さんらしいメロディーで、その頃の音が好きな人は、気に入るかもしれない。
そして、アルバムのラストを飾る10「夏の幻影」。
尾崎亜美の作詞・作曲によるバラードで、夏の終わりに恋の終わりを重ねている歌詞も、なかなか素晴らしい。
木戸泰弘と尾崎亜美によるコーラスも、そんな曲の雰囲気を作り上げるのに、一役買っているように思う。

松田聖子と言うと、初期の頃から「青い珊瑚礁」や「白いパラソル」と言うように、「夏」のイメージの曲を数多くリリースしてきた印象があるけれど、このアルバムもそう言う流れの集大成と言えるのかな、と漠然と感じている。
このアルバム以降、端的に「夏」を表すような曲のリリースは減ってしまうし、結婚したことで、シンガーとして「夏」=「恋」と言った単純な夏の風景が描きづらくなったと言うことも関係しているかもしれない。

それにしても、このアルバムがリリースされてから、20年以上の月日が流れていると言うのに、今聞いてもあまり古びた感じがしないのは、素晴らしいな、と感じた1枚。


【収録曲】
01. Vacancy
02. 夏のジュエリー
03. ボーイの季節
04. 両手のなかの海
05. す・ず・し・い・あ・な・た
06. 星空のストーリー
07. さざなみウェディングロード
08. 天使のウィンク
09. ティーン・エイジ
10. 夏の幻影
posted by あれ at 00:15| Comment(5) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 80's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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