2006年06月30日

菊池桃子「Ocean Side」

菊池桃子「Ocean Side」この所、30℃近い暑い日が続きますね。
日々、真夏へ近づいているということでしょうが、そんな季節にピッタリの夏っぽいアルバムということで、菊池桃子の1stアルバム「Ocean Side」をご紹介。

このアルバムは、林哲司がサウンドプロデュースを手がけ、シティポップ系のガイド本にも紹介されている1枚。
ガイド本で見た時は、半信半疑だったのだけれど、実際にその音に触れてみて、シティポップとして評価されるのも納得の出来だった。
同時期に林哲司が手がけていた、杉山清貴&オメガトライブに近いサウンド・アプローチで、それがまたファンにはたまらないような気がする。

このアルバム、何と言っても、オープニングを飾る01「Ocean Side」に尽きる。
メロディーが良いのはもちろん、そのサウンド作りが、シティポップそのもの。
ギターのカッティングとチョッパーベースが軽快なリズムを刻み、ブラス・セクションのフレーズがポップで爽やかな印象を残す、林哲司渾身の一作と言えそうなリゾートソング。
CDをプレーヤーにかけて、1曲目にこの曲を耳にして、このアルバムと出会った価値はあったかな、と思わせてくれた。

他には、08「So Many Dreams」も見過ごせない。
ミドルテンポの落ち着いた曲で、01「Ocean Side」が「動」ならば、こちらは「静」のリゾートソングという感じ。
AORとまではいかないなりにも、夕暮れ時が似合いそうな、しっとりして落ち着いた雰囲気の曲。

その他にも、02「SHADOW SURFER」は、アイドルポップ的な軽やかさを持ちつつ、ウェストコースト風のサマーサウンドが心地良い1曲。
続く03「BLIND CURVE」も、オメガトライブ的な音作りが、個人的には気に入っている曲。
07「EVENING BREAK」は、アイドルポップの王道とも言えそうなポップソングだけれど、その爽やかさが魅力と言えば魅力。

クレジットを見ると、松原正樹(G)、今剛(G)、林立夫(Dr)、斎藤ノブ(Per)といったパラシュート陣営が参加してたり、山下達郎バンドでもお馴染みの青山純(Dr)や、村上"ポンタ"秀一(Dr)、吉川忠英(A.G)といった腕利きミュージシャンの名前が見える。
やはり、こう言ったミュージシャンが参加したことで、高いクオリティを獲得して、シティポップとして評価されるようになった原因の一つかもしれない。

林哲司の著書「歌謡曲」の中にも語られていたけれど、菊池桃子がデビューするのにあたって、今までのアイドルの方法論は使わないで音楽を作ろうと言う意図があったと言う。
ジャケットのデザインも、顔のアップのポートレートが主体だった当時のアイドルのアルバムとは一線を画しているのも、そう言った意図の現れだったらしい。

やや歌謡曲寄りの曲も収録されてはいるけれども、タイトルチューンの01「Ocean Side」に出会えただけでも、このアルバムを手に入れて良かったな、と思えたアルバム。
80年代の林哲司のサウンド・プロダクトが好きな人は是非。


【収録曲】
01. Ocean Side
02. Shadow Surfer
03. Blind Curve
04. Summer Eyes
05. Futari No Night Drive
06. Seishun No Ijiwaru
07. Evening Break
08. So Many Dreams
09. I Will
posted by あれ at 00:07| Comment(4) | TrackBack(2) | ジャパニーズポップ 80's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月29日

大江千里「OLYMPIC」

大江千里「OLYMPIC」先日、谷村有美の1st「Believe In」を聞き直してみて、なかなか良い作品だったんだなぁ、と再評価したことは以前のエントリーで書いた通り。
そんな「Believe In」の全ての曲のアレンジを手がけたのが大村雅朗だったことから、彼が担当した様々な楽曲に興味を持ち、中古盤屋を散策の毎日。

そんな中で、思いがけず再会したアルバムが、大江千里の「OLYMPIC」。
87年に発表された作品で、全ての曲のアレンジを大村雅朗が担当している。
大村憲司〜清水信之と言う、シティポップの代名詞と呼べそうなアレンジャーに続く形で、前作「AVEC」から大村氏がアレンジを担当。

この「OLYMPIC」というアルバム、初夏にリリースされたこともあってか、全体的に「夏」を感じる爽やかなナンバーが多い1枚。
中学生の頃好きなシンガーの一人だったので、ノスタルジックに響くかと思いきや、今聞いても非常に新鮮で、十分に聞くことの出来るポップアルバムだった。

改めて聞き直してみて、素直に驚いた曲は、03「STELLA'S COUGH」。
大江千里にしては、R&B色の強いアレンジの曲で、チョッパーベースとタイトなドラム、それに絡んでくるファンキーなギター・カッティングがなかなか心地良い1曲。
大江千里らしいポップなメロディーが、R&B色を薄めているけれど、この曲は、かなり気に入った。

その他の曲では、西海岸のAOR風なサウンド・アプローチをしているミディアム・テンポのナンバー、05「塩屋」も良かった。
この「OLYMPIC」というアルバムをネットで検索してみたら、意外にこのナンバーのファンが多いようだ。
特に派手さも無い、さりげない1曲だけれど、確かに不思議な魅力を持っている曲だ。
そう言ったミディアム・テンポの曲で言うと、アルバムラストの10「gloria」も、エレピを中心にしたシンプルなアレンジに好感が持てる。
そして意外と見過ごせない曲だったのが07「贅沢なペイン」。
ミュートを聞かせたギターのカッティングが曲の雰囲気を作り出しているミディアムテンポのナンバーで、シンプルながらも味わいのある曲だった。

それから、いかにも大江千里と言うような、キャッチーなメロディーを持った曲も、もちろん魅力的。
中でも、先行シングルとなった09「YOU」は、イントロの印象的なピアノのフレーズとポップなメロディーが、大江千里のポップサイドを代表する曲の一つだろう。
シングルになったのも納得の出来。
01「回転ちがいの夏休み」や06「エールをおくろう」といった曲も、キャッチーでポップな雰囲気が、大江千里の王道ナンバーを受け継ぐ曲。
この2曲を聞くと、やはり「十人十色」が、大江千里のイメージを決定づけていたのだなぁ、と言うのを実感する。もちろん、そう言う曲も好きなのだけれども。

久しぶりに、この時期の大江千里の作品を聞き直してみて、なかなか良い作品をリリースしていたのだなぁ、と言うことを実感。
そんな風に「大村雅朗」をキーワードにして、色々と世界が広がっていきそうな予感。


【収録曲】
01. 回転ちがいの夏休み
02. 路上のさよなら
03. STELLA'S COUGH
04. 小首をかしげるTシャツ
05. 塩屋
06. エールをおくろう
07. 贅沢なペイン
08. 夏渡し
09. YOU
10. gloria
posted by あれ at 01:15| Comment(4) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 80's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月21日

羽根田征子「SORA」

羽根田征子「SORA」羽根田征子の2ndアルバム「SORA」。佐藤博プロデュースの89年発表の作品。
吉田美奈子のプロデュースだった1stアルバム「Beating Mess」は、良くも悪くも吉田美奈子の「硬質ファンク」路線を受け継ぐ形で、ちょっと重いかな?と言う印象だったけれども、この2ndはイイ感じに軽めのサウンドになっていて、個人的に好みの雰囲気。
羽根田の声質的にも、この2ndの路線の方がしっくり来る気はするのだけど。

レコーディングのメンバーは、プロデューサー・佐藤博(Key)を初めとして、今剛(G)、松原正樹(G)、吉川忠英(G)、青山純(Dr)、浜口茂外也(Per)などが参加。
意外な所では、菅野よう子(Key)や、cobaこと小林靖宏(Accordion)などの名前もあったり、日野皓正がコルネットで参加した曲もある。

シティポップ的なナンバーで言えば、03「MILKY WAY」や06「鳥のさえずりが聴こえる?」が、リゾート風のサウンドを響かせていて、どちらも、ギターのカッティングが心地良い曲。
他には、オールディーズ風のメロディが良さげな05「SANDY」や、ボサノヴァ的なリズムを取り入れた11「Phe´nix」なども、聞き所と言えるかも。

佐藤博も自らのアルバム「TOUCH THE HEART」の中で唄っている、01「ROSY HEART」が収録されているのも注目点かもしれない。
佐藤のバージョンとほぼ同じアレンジだけれど、ボーカルが違うせいか、羽根田バージョンの方が爽やかな雰囲気がする。
歌詞をよく読むと、同じシチュエーションを男性から描いた物(佐藤)と、女性から描いた物(羽根田)に書き分けられているのも面白い。

そして、バラード系の曲も、なかなかの出来。
まずは、吉田美奈子の作詞作曲によるバラード08「WINDY」。
前田憲男による、ピアノとストリングスを中心にしたシンプルなアレンジに好感が持てる1曲。
続く09「EVERGREEN」は、上田知華の作曲で、これもしっとりしたナンバー。
服部克久によるストリングスのアレンジが、歌詞の世界観を更に深い物にしているように感じる曲。

このアルバムのレコーディング中、プロデューサーである佐藤博は、自分のアルバム「TOUCH THE HEART」も平行して制作していたらしく、そうやって意識して聞くと、サウンドの作りも、この2枚のアルバムは通じる部分は多いかもしれない。
佐藤の「TOUCH 〜」が好きな人は、チェックしてみるのも面白いかもしれない。

ちなみに羽根田征子、現在は羽根田ユキコと改名し、現在も活動中とのこと(オフィシャルサイト)。
デヴィッド・フォスターらがプロデュースを手がけた幻の3rdも、ここから通販で買えるようです。


【収録曲】
01. ROSY HERAT
02. 恋唄千里 (It isn't easy)
03. MILK AWAY
04. BESAME
05. SANDY
06. 鳥のさえずりが聴こえますか?
07. DADA
08. WINDY
09. EVERGREEN
10. HAPPY BIRTHDAY
11. Phe´nix
12. 吹き過ぎた風のように
posted by あれ at 23:14| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 80's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月18日

原田知世「Summer Breeze」

原田知世「Summer Breeze」ゴンチチのプロデュースによる、原田知世のカヴァーアルバム「Summer Breeze」。2001年発表。
タイトルの「Summer Breeze」が表すように「初夏のそよ風」というような、爽やかな雰囲気を感じるアルバム。

アレンジと演奏にゴンチチが関わっているのもあって、全編アコースティックで、ボサノヴァ・テイスト溢れる作品に仕上がっている。
どの曲も、元のメロディーがいいので、ボサ・アレンジにしても映える曲ばかり。
さらに、原田知世の落ち着いたボーカルが、優しげなメロディーを引き立てている。

最初、キャロル・キングの07「You've Got A Friend」のカバーが収録されているとことで興味を持ったのだけれど、実際にその音に触れてみたら、それ以外の曲も思いのほか良かった。
01「Say You Love Me」から、爽やかなメロディーのボサノヴァ・ナンバー。
ボビー・ヘブの02「Sunny」が、こんなにボサノヴァな曲に生まれかわると言うのは、意外だった。元々、ボサの名曲だったかのような風情を感じてしまう。
ランディー・ヴァンウォーマーの03「Just When I Needed You Most」や、ビージーズの04「How Deep Is Your Love」などは、シンプルな演奏になった分、元曲のメロディーの良さが更に際立っているように思える。

やっぱり、個人的なハイライトは、07「You've Got A Friend」。
ジェイムス・テイラーにしろ、キャロル・キングにしろ、この曲が昔から好きだったというのも大きいとは思うけれど、原田知世のボーカルも、かなりハマっている。
そして、キャロル・キングのメロディーメーカーとしての素晴らしさも改めて再確認したり。

原田知世と言うと、鈴木慶一のプロデュースの三部作や、トーレ・ヨハンソンとのコラボレート作なども有名だけれど、このゴンチチのプロデュースによる小品も、なかなか味わい深い作品で、イイ感じです。


【収録曲】
01. Say You Love Me (Patti Austin)
02. Sunny (Bobby Hebb)
03. Just When I Needed You Most (Randy Van Warmer)
04. How Deep Is Your Love (Bee Gees)
05. If (Bread)
06. Scarborough Fair (Simon & Garfunkel)
07. You've Got A Friend (Carole King)
08. That's The Easy Part (Beth Nielsen Chapman)
posted by あれ at 00:14| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャパニーズポップ 00〜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月17日

タケカワユキヒデ「走り去るロマン」

タケカワユキヒデ「走り去るロマン」後にゴダイゴのボーカルとして活動するタケカワユキヒデが、ゴダイゴ活動以前の75年にリリースしたソロアルバム「走り去るロマン」。
ミッキー吉野のプロデューサー的戦略で「アジア」のイメージをチラつかせていたゴダイゴとは違い、ウェストコーストへの憧れを素直に音に託したと言えそうなアルバム。
全曲、英詞で唄われていることからも、そういった憧憬というのは、感じ取れるかな。
ちなみに、全ての曲がタケカワによる作詞作曲。

オープニングの01「Truly Me」から、ウェストコーストな雰囲気全開。
ブラスとストリングスをフィーチャーしながら、岡沢章の流れるようなベースラインに乗せて、タケカワの書くポップなメロディーがオープニングにふさわしい。
タイトル曲である04「Passing Picture」も、01「Truly Me」に通じる西海岸風のポップソング。
疾走感溢れるメロディーは、ドライブでもしながら聞きたい気分。
この曲の2曲には、深町純(Key)と村上"ポンタ"秀一(Dr)が参加。

02「Now And Forever」は、アコースティックギターとハープシコードをアンサンブルの中心にした、フォークロック調のナンバー。
タケカワ自身による多重コーラスが、ママス&パパスやCS&Nなどのイメージと被る。

そして、タケカワと言うとビートルズ・フリークとしても有名だが、07「Tow People Together」は、そんなタケカワの一面が出た曲。
ポール・マッカートニー的なメロディーラインに、ブラスセクションの導入が、ソフトロックな雰囲気を作っていて、個人的には好きなタイプの曲。
ちなみに、ベースには後藤次利が参加。後にファンキーなベースを弾く印象は無いけれど、手堅くタケカワをサポートしている。

12「Pretty White Bird」は、フェンダーローズをバックに唄われるメロウな1曲。
優しげに唄うタケカワのボーカルが魅力的で、AORとしても十分聞ける。
この曲は、ジャパニーズAORが好きな人も、スンナリ受け入れられるような気がする。
この曲のアレンジ&キーボードは、後にゴダイゴの盟友となるミッキー吉野。

「シティポップ」として語るには、ちょっとウェストコースト寄りのサウンドではあるけれど、よく出来たポップアルバムである事に違いは無い。
何と言っても、メロディーメーカーとしてのタケカワユキヒデの才能が、端的に現れた1枚と言えるんじゃないかな。
ちょっとジャケは野暮ったいけど(何度か差し替えられて、これは3パターン目だと言う)、音の方はなかなか良く出来た爽やかなポップソングばかりなので、気に入る人も多いように思う。


【収録曲】
01. Truly Me 〜ぼくのドリーム
02. Now And Forever 〜いつもふたり
03. Night Time 〜夜の都会
04. Passing Picture 〜走り去るロマン
05. Lucky Joe 〜ラッキー・ジョー
06. Water She Wore 〜雨に踊る少女
07. Two People Together 〜二人の童話
08. Hazy Nun 〜雨の尼僧
09. Fragments 〜君のひとこと
10. Happiness 〜ぼくらの幸せ
11. I Can Be In Love 〜スポット・ライト
12. Pretty White Bird 〜白い小鳥
posted by あれ at 01:33| Comment(0) | TrackBack(1) | ジャパニーズポップ 70's | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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